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WBC栗山英樹監督の顔色が変わった“3人の選手”…帰国会見、TVに映らなかった“控え組”への気配り「スタメン出場はなかったんですけど…」
text by
齋藤裕Yu Saito
photograph byTakuya Sugiyama
posted2023/03/29 11:03
NPB所属の26人の選手が次々とコメントする中で、栗山監督が思わず顔を向けた選手が3人いた。その3人への視線にはどのような意味が…?
「なかなか勝ち切らないと……。選手たちには伝えましたけど、歴史は『勝者の歴史』なので、勝ち切らないと伝わらないことがあるんだ、だから勝ち切ろうというふうに言ってきましたけど、選手たちが頑張って勝ち切ってくれたので本当に良かったです」
その思いは最年少の高橋宏斗にまで伝わっていた。集合時の人数確認など大会中の雑務を引き受けていた20歳から飛び出した力強い言葉に対して、とっさに後ろを向いた栗山監督の表情には驚きの色が見てとれた。
成田→永田町→六本木→汐留の6時間凱旋リレー
一方で牧原、周東に対してはどこか顔色をうかがうように視線を向けていた。大谷翔平の決勝最終回での登板、準決勝逆転サヨナラ打につながった村上を信じ続けた采配など「エースと主軸の起用」に注目が集まりがちだが、控えの立場にまわった選手への“気配り”にこそモチベーター型指揮官の真骨頂があるのではないか。
成田での会見を終えた後は表敬訪問のため首相官邸へと移動。分刻みのスケジュールだったため、訪問後の報道対応はない予定だったが、記者団を見つけて急遽質問に応じる心配りも見せた。大勢の記者団を前に最後は「総理も大変ですね」と言い残し、あらゆる方向に気を配る指揮官は足早にテレビ朝日(六本木)、そして日本テレビ(汐留)へと向かっていった。
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