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「オオタニは“神タニ”だ!」韓国人は大谷翔平をどう見たか? WBC優勝後の韓国言及に「器が違う」韓国人記者も驚いた神対応
text by
崔碩栄Che Sukyoung
photograph byNaoya Sanuki
posted2023/03/28 06:00
優勝後のインタビューで日本野球について問われた大谷は「日本だけじゃなくて…」と韓国にも言及。韓国ではどのように受け止められたのか。
実は、多くの韓国の野球ファンは長い間、韓国選手のファンに対する態度や行動に失望し続けてきた。写真を一緒に撮るとか、サインをするといった「ファンサービス」を嫌がり、年俸が少し上がればブランド品や外車を買いあさり、その挙句に飲酒事故などを起こして選手生活を途絶えさせてしまった選手は1人や2人ではない。韓国の野球ファンは、そんな残念な選手たちの姿を数多く見てきた。そんな韓国の野球ファンにとって、大谷はあまりにも「異質」な存在だ。成績もトップ、人間としてもトップ、一言で言えば「完璧人間」として映っているのだ。
「恥ずかしさ」を感じさせられた大谷の言葉
日本がWBCで優勝した後、大谷のインタビューが韓国で話題になった。インタビュアーが「日本の野球がますます注目される」と述べた後、大谷に意見を求めると彼は「日本だけじゃなくて、韓国もそうですし、台湾も中国も。またその他の国ももっともっと野球を大好きになってもらえるように。その一歩として優勝できたことが良かったなと思いますし。そうなってくれることを願っています」と答えた。
優勝した国の選手が、1次ラウンドで敗退した他のアジアの国々を勇気づけるようなエールを送るとは多くの韓国人には想像すらできなかった。もし韓国チームが優勝したら、果たして日本や台湾、中国といった近隣諸国を思いやり、こんなことを言う選手がいただろうか? という疑問、そして同時に大谷のその言葉に対して韓国ファンは感謝というよりは「(韓国の選手とは)器が違う」という恥ずかしさのようなものを感じざるを得なかったのだ。