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「ムネ、お前に任せた」村上宗隆を揺さぶった栗山英樹監督の言葉…侍ジャパン4番降格からなぜ村上は蘇ったのか？「やっぱり悔しい気持ちも」

posted2023/03/24 19:33

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鷲田康Yasushi Washida

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Getty Images

　最後の最後に日本の主砲らしいバッティングを世界に見せることができた。

　前回王者・アメリカとの決勝戦。1点をリードされた直後の2回、村上宗隆内野手の大会初本塁打は右翼スタンド2階席まで飛んで行った。

「完璧。1点を取られた後で、すぐに追いつきたい展開だった。一振りで追いつくことができて良かった。展開的にあそこですぐに点を取り返せた、というのは今日の試合ですごく大きかったことだと思います」

　昨年メジャー13勝の右腕、メリル・ケリー投手の初球、148kmのストレートをしっかり捉えることができた。打球速度115.1マイル（約185km）は、本大会の全本塁打の最速をマークした。推定飛距離132mと共に、村上らしい打球がようやく戻ってきた。

　辛く長いトンネルを抜け出すきっかけは、指揮官の決断と信頼の言葉だった。

　まずは4番降格の決断だ。

　強化試合から続いたスランプの中、1次ラウンドでは「4番・村上」を動かさなかった栗山英樹監督だったが、負ければ終わるトーナメントに入った準々決勝のイタリア戦で村上を4番から外した。

「負けたら終わりで、監督の考えですから、僕らはそう動くしかないと思った」

　村上は試合前の練習中に打順変更を伝えられた瞬間をこう振り返る。

「栗山監督も色々と考えて僕にも声をかけてくれましたし、どういう打順が一番なのか考えて（の降格）だと思う。監督をそこまで悩ませてしまったということで、もっとしっかりしなければいけないなと思いました」

　自分の打順を動かすことに監督も苦悩し、その中での決断だったことは、村上にも痛いほど伝わってきていた。もちろんこだわりつづけた4番を外れることに、悔しさはある。だから余計に監督の苦渋の決断に応えなければならない。チームのために自分が何をできるのか。その気持ちがこの4番降格でより強いものになった。

　その思いが結果を生む。

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