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「韓国には“決起集会“がなかった」ダル同僚が羨ましがった“侍ジャパンの団結“…帰国後は強烈バッシング、空港はまるで謝罪会見
text by
キム・ミョンウKim Myung Wook
photograph byAP/AFLO
posted2023/03/16 11:07
韓国代表のキム・ハソン(左)、パク・ヘミン(右)とベース上で言葉をかわす大谷翔平
さらに14日に帰国の途に着いた韓国代表には厳しい視線が向けられていた。
仁川国際空港に降り立った選手たちの表情は固く、黙々と荷物を持って歩く姿が報道されている。スポーツ専門サイト『SPOTVニュース』では報道陣に囲まれるイ・ガンチョル監督の頭を下げる写真と共に「選手たちは頑張った。私に全てのことを避難してくれいい。選手たちにはいい言葉をたくさんかけてほしい」というコメントを掲載。まるで“謝罪会見”のような重苦しい空気が、国民の悔しさを物語っているようだった。
また同メディアに興味深いエピソードも見つけた。ダルビッシュ有と同じパドレスでプレーするキム・ハソン内野手の言葉だ。
日本が大会前にダルビッシュらの呼び掛けで実施した“焼肉決起集会”に触れ、「ダルビッシュのインスタグラムをチェックしたら、会食をしているものがあったんだ。実を言うと韓国チームにはそういうことがなかった。国際大会はそういう雰囲気が結果につながる。監督やコーチが責任を負うと言われているが、結局はプレーした我々選手が責任を負うべきだと思う」とコメントしていた。
“空気”を作れなかった韓国代表
実はこういった決起集会でチームの団結を図る手法は韓国のお家芸でもあった。
以前に取材したことがある卓球女子の韓国人コーチは、伊藤美誠や平野美宇らがジュニア世代の頃、合宿最終日に必ず焼肉屋に出向き、結束を高めるために全額自腹でご馳走していた。どんな競技においても大事な一戦の前は皆で食卓を囲む風習があり、飲み物を買うときは「必ず他人のものも買っていけ」という教えもあるほど、チームの輪を重んじてきたのが韓国だった。
つまりは、今回の韓国代表チームはそこまでの空気を作れなかったということだろう。
侍ジャパンのヌートバーが日韓戦で反撃の口火となるタイムリーを放った時に一塁ベース上で雄叫びを上げるシーンがあったが、それは以前の韓国代表の姿を想起させた。ダルビッシュや大谷も含めたメジャー組が国内組との融合を図った。戦力の実力差だけでなく、チームマネジメントでも日本が上回っていたことがよくわかる。