また、日韓戦後の韓国メディアは「井の中の蛙」という表現をよく使っていた。韓国KBSの解説を務めた元プロ野球選手のパク・ヨンテク氏はこう語っている。

「『井の中の蛙』という言葉が使われますが、今大会を見てそれが証明されたようです。結局、韓国投手の制球力が以前のレベルよりも劣っているのに加えて、打者もそのレベルに停滞している。国際大会に出たときに、一度も見たこともない水準の投手に会うと、打者も能力を発揮できない。投手も国際大会で優れた打者の前ではストライクも投げられない。近年は投打ともに深刻な状況に陥っている」

　日本と大きく差がついた状況に、辛口の批判を展開していた。

“底力”を発揮すると思われた日韓戦

3回表に日本先発・ダルビッシュを捉えた韓国打線。しかし、その裏に逆転を許した　©︎Naoya Sanuki

　宿命の日韓戦――WBCの1次ラウンドでは両国にとっても大きな山場で、日韓野球ファンも緊迫した試合を期待していたに違いない。ここで勝つか負けるかで、準々決勝進出に大きく前進するか後退するかが決まる展開でもあったからだ。

　韓国は初戦のオーストラリアに7－8で敗れたことで崖っぷちに立たされ、追い込まれるほどに底力を発揮すると思われた。しかしふたを開ければ4－13のスコアでの大敗。あわやコールド負けを喫するところだった。

　試合に敗れたあとに選手たちが立ち止まることがないのはサッカーでも同様ではあるが、さすがに大差をつけられた韓国の選手たちも消沈気味で、誰も言葉を発さないままバスに乗り込んでいったという。

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