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「韓国には“決起集会“がなかった」ダル同僚が羨ましがった“侍ジャパンの団結“…帰国後は強烈バッシング、空港はまるで謝罪会見
text by
キム・ミョンウKim Myung Wook
photograph byAP/AFLO
posted2023/03/16 11:07
韓国代表のキム・ハソン(左)、パク・ヘミン(右)とベース上で言葉をかわす大谷翔平
日韓戦の惨敗、そしてWBCを1次ラウンドで敗退したことで国内の報道が一層厳しいものになると予想される。
ただ、そんな“嘆き”ばかりが報道されているわけではない。日本代表を、そして大谷翔平を称賛する記事の多さも象徴的だった。大谷の人間力と、それにフィーバーする日本ファンの野球人気のすごさを実感した内容が各紙に散見された。
日本の初戦の中国戦を見た一般紙『東亜日報』の記者は「明るい笑顔、時にはチームメイトに向かってウィンクをしていた。審判とも自然な会話をし、チームメイトのヒットや得点が出れば、ダッグアウトで誰よりも大きな拍手を送っていた。この日の試合では終始、大谷はまるでアイドルのような姿を見せていた」と惚れ惚れしたコラムを掲載。
経済紙『アジア経済』までも“大谷翔平ストーリー”を掲載し、目標設定から実現までのプロセスを書いた「マンダラート」を写真付きで話題に挙げ、「『人生が夢を作るんじゃない。夢が人生をつくるんだ』という名言も人々の心をつかんでいる。かれは野球界やスポーツ界だけでなく、彼の“人性”も野球ファンから愛される理由のようだ」と報じている。
「韓国であんな打球を見たことある?」
さらにWBC本大会前に大谷のすごさを素直に認めていたのが、前述のパク・チャンホ氏だ。
「韓国であんな打球を見たことありますか?」
6日、大阪の京セラドームで行われた日本代表の強化試合の観戦に訪れたパク氏が、大谷の打撃練習を見て、『SPOTVニュース』の韓国記者陣にそう問いかけたという。
「この日、大谷は5階の高さの外野の観客席に3回も球を飛ばした。パク氏もこのシーンを見守り『韓国であんな打球を見たことがありますか? 韓国ではイ・スンヨプとシム・ジョンスくらいだろう』と自ら答えていたが、大谷のような打者が現在と未来に登場するのを願うかのようだった」
誰もがうらやむ大谷の才能と今大会の侍ジャパンの躍進。韓国にとっては大きな実力差を見せつけられた形となったが、自分たちの足元を見つめ直すきっかけにもなった。
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