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羽生結弦のスピンと同時に内村航平も旋回…地元・宮城でのアイスショーに「つなぐ人」羽生が込めた“被災地”への思い 「あれから12年…」
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAsami Enomoto
posted2023/03/12 11:12
座長を務めるアイスショー「羽生結弦 notte stellata」で共演を果たした内村航平と羽生結弦。公演は12日まで
「あれから12年経とうとしています。震災だけじゃなくこれからの人生でも幸せなこと辛いこと、苦しいこと、寂しくなることがきっとあると思います。星のように輝いてくれたと思うプログラムたちが希望となるよう祈っています。これからも少しずつでもいいので震災のこと、被災されて辛かったと思う気持ちを認めてあげて、見てあげてください。何も行動できなくても被災地の方はうれしいと思います」
被災した人々が忘れ去られないように
自身も被災した身として、スケートを再開したときには葛藤も覚え、それでも滑りが人を笑顔にすることを実感し、スケートの道を進んできた。折々の話や行動で震災に、被災した人々に触れ、寄り添ってきた。震災が風化しないように、そんな思いもときに感じられた。
フィナーレの言葉にも、被災した町に向けて、被災した人々が忘れ去られないように、という思いが込められているようだった。それもまた、「つなぐ」役割を果たしていた。
公演は台湾、香港の映画館でもライブビューイングが行われているという。海外へ向けて、震災を、被災した人々を伝える、「つなぐ」時間でもあった。
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