「日々試行錯誤で今日も第1打席は良かったんですけど、第2打席、第3打席ではまた違う感覚で（ボールを）見たりとか、色々なことをしながらやっている段階。結果が出たということでは（第1打席の）あの打ち方が一番いいのかなと自分自身では思っています」

　まだ本人の中では「これだ」という感覚を掴みきれておらず、結果的に本塁打以降の4打席は3三振と左飛と惨憺たるものだった。

　果たしてこの結果で村上を4番に戻せるのか。もし中国戦から4番に戻せば、結果が出なくても次はなかなか外しにくくなる。大谷を村上の前の3番に固定するとなれば、なおさら4番のチームの得点力への影響が大きくなってくるのは目に見えている。

栗山監督は「4番問題」に含みも…

「打順に関しては（どの選手も）みんな、色んなところを打っているはずなんでね。試合で勝てるような打順を間違えないで僕が組めるように、ね」

　栗山監督はオリックス戦後にこう語って、4番問題には含みを持たせた。ただ現在の状態を考えれば、少なくとも開幕2戦目となる韓国戦までは吉田を4番に据えたオーダーの方が無難なのだろう。その上で村上の状態を見ながら、その後の編成を考えていく。

壮行試合、強化試合で様々な打順を試してきた栗山監督。WBC本戦では果たしてどのようなオーダーで臨むのか？　©︎Naoya Sanuki

　ある意味、「日本の4番」として世界にアピールするために大事なのは、準々決勝以降の戦いだ。逆にそこまでに村上がどう打撃の調子を上げきれるのか。そこが4番復帰へのポイントになるのだろう。

「あくまで僕らは9日を目標にコンディションを作ってきている。1本出たことで、準備は出来たのかな。ちょっとホッとはしました。必ず（チームを）勝ちに導ける一打を打てると思っているので、とにかく下を向かずに必死に戦いたい」

　大谷とヌートバー、吉田の加入で打線に流れが生まれてきているのは確かだ。その流れを重視するのか、それともあくまで「日本の主砲」として村上の4番に命運を託すのか。

　3月9日。中国戦の先発メンバーの4番目に、栗山監督が誰の名前を書き込むのか。まずはそこが注目である。

＜投手編に続く＞

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