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プロ野球亭日乗BACK NUMBER
「悩める4番問題」侍ジャパンの4番は村上宗隆なのか? WBC制覇のためのオーダーを考えてみた…大谷翔平の”前後”がポイント
posted2023/03/09 11:51
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Naoya Sanuki
これが一番流れがいいように感じた。
3月7日、京セラドーム大阪で行われた日本代表の最後の強化試合となったオリックス戦。その先発オーダーだ。
1番のラーズ・ヌートバー外野手、2番・近藤健介外野手で始まり、3番に大谷翔平投手、4番に吉田正尚外野手が入り、5番の岡本和真内野手から6番の村上宗隆内野手へと続く。7番以降には牧秀悟内野手、源田壮亮内野手と並んで9番に甲斐拓也捕手が入る。
この打順が見事にはまった。
初回にスランプ気味だった村上がいきなり1号3ランを放つと、吉田が2回のタイムリー三塁打など3安打で4番の重責を見事に果たす活躍を見せた。
打順の先発オーダーのポイントとは
ポイントは2つだ。
1つは6日の阪神戦で驚愕2本塁打を放つなど絶好調の大谷をどこに置くか。
本来なら本塁打のある大谷には1打席でも多くバッターボックスに立たせるために、2番が最適な打順だと思う。ただ、当初3番を打つ予定だった鈴木誠也外野手が左脇腹のケガで出場辞退。後ろを打つ貴重な右のポイントゲッターを失ったことで、大谷の置き場所自体も難しくなってしまった。
そこでクローズアップされたのが、鈴木の代わりに右翼に入ることになった近藤である。
もともと高い打撃技術と抜群の選球眼で4割以上の出塁率を誇るハイスペック打者だが、今回の日本代表では打線の状態がなかなか上がらない中で、宮崎の事前キャンプから好調を維持。鈴木の欠場が決まったときも、栗山英樹監督は迷うことなくその代役のポジションにこの男を指名している。
もし大谷を2番に起用するとすれば、1番候補でもあったが、日本ハム時代から近藤をよく知る栗山監督は「そこ(1番)じゃないタイプ」と語る。何より3月2日からチームに合流したヌートバーが期待通りに1番として働けそうな目処が立ったことも大きい。
そこで大谷を生かすために、あえて打順を1つ下げた3番に入れて、“出塁率お化け”の近藤をその前に置いた。