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大谷翔平がWBC初戦で先発へ! 世界一奪回への投手起用法とは…カギは準々決勝?「世界は山本由伸と佐々木朗希が見たいと思う」
 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byNanae Suzuki

posted2023/03/09 11:50

大谷翔平がWBC初戦で先発へ! 世界一奪回への投手起用法とは…カギは準々決勝?「世界は山本由伸と佐々木朗希が見たいと思う」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

WBC初戦の中国戦で先発登板が予定されている大谷翔平

「それだけ栗山監督が準々決勝突破に重きを置いているということ」という意見だ。

 もちろん何が起こるか予想がつかないのが、国際大会の難しさだ。侍ジャパンの日本ラウンド突破は当たり前のように語られるが、過去には危うい場面が何度かあった。

 特に2013年の第3回大会では、1次ラウンドで楽勝と言われていた初戦のブラジル戦で大苦戦。終盤の8回に何とか振り切って白星スタートを切ったが、一つ間違えば番狂せとなっていた可能性もあった。またトーナメント形式となった2次ラウンド初戦の台湾戦も危機一髪の展開。こちらも9回2死から井端弘和内野手の同点タイムリーで追いつき、延長10回に何とか振り切っての薄氷の勝利だった。

「たとえ二軍の選手でも、投手がいいチームが勝つ」

 3月6日の強化試合で主力抜きだったオリックスに敗れた韓国・李強喆監督の試合後の言葉だが、これはまさに番狂わせの多い野球の特徴なのである。

「世界は山本由伸と佐々木朗希を見たいと思う」

 日本が1次ラウンドを突破すれば準々決勝で対戦する相手は予選A組から勝ち上がってきたチームで、おそらくキューバかオランダ、あるいは台湾あたりとなると予想される。決して楽な相手ではないし、それだけ栗山監督が警戒感を強めるのにも頷ける。その結果の大谷を先発にダルビッシュをリリーフに立てた豪華リレー予想というわけだ。

 そうなると当然、米国での準決勝以降では2人の登板はなくなる。必然的に準決勝以降の先発は佐々木と山本の2人の国内組投手に任せることになる。以前に吉井理人投手コーチが、あくまで私案としながら「世界は山本由伸と佐々木朗希を見たいだろうと思う」と2人を準決勝と決勝に先発させるプランを明らかにしていたのにも合致することになる訳だ。

 

 もちろん山本と佐々木の2人が米国でメジャーリーガー揃いのアメリカ代表やドミニカ共和国代表を相手に先発マウンドに上がる姿は、想像しただけでもワクワクするし、それだけの力を持っている投手であることも間違いないだろう。ただ、その一方でもう1つ、世界一奪回という目標にリスクを最大限に減らしていくことも必要だ。そこで浮上するのが米国で試合を行う際のさまざまな環境の変化の中で、誰が一番、適応できるのかという視点なのだ。

【次ページ】 準々決勝から決勝まで…トータルで勝ち抜く最善策とは

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