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顔面直撃でも血だらけノック続行「普通の子ならすぐ歯医者に」源田壮亮のスゴすぎるド根性っぷり…侍Jを引っ張る“たまらん守備”の原点

posted2023/03/09 06:02

 
顔面直撃でも血だらけノック続行「普通の子ならすぐ歯医者に」源田壮亮のスゴすぎるド根性っぷり…侍Jを引っ張る“たまらん守備”の原点<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

「#源田たまらん」のハッシュタグができるほど多くの人を魅了する源田壮亮の守備力。WBCでは打撃や走塁でも存在感を発揮したい

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前田泰子

前田泰子Yasuko Maeda

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Hideki Sugiyama

 派手さはないが、その職人技に誰もが目を奪われる――WBCで世界一を目指す侍ジャパンに選出された源田壮亮(30歳)の“守備”の話である。

 2017年にトヨタ自動車から西武に入団すると、1年目の開幕戦から不動のショートの座を獲得。ルーキーイヤーと合わせて2年連続で全143試合フルイニング出場という史上初の快挙を成し遂げた。卓越した守備者に送られるゴールデン・グラブ賞は昨シーズンまで5年連続で受賞している。どんな難しい打球も難なくさばき、アウトを奪うキャプテンの軽快な動きに対し、野球ファンは驚きと感嘆を込めて「たまらん」と叫ぶ。

「この子をチームの中心にしよう」

 そんな“たまらん守備”を見いだしたのは、大分商業高校で野球部監督を務めていた吉野賢一郎さん(52歳、現・大分県教育委員会体育保健課体育・スポーツ振興監)だ。

 明野ビッグボーイズ(現・大分明野ボーイズ)でプレーしていた中学時代の源田は身体こそ小さかったが、守備でひときわ存在感を放っていた。

「打球への入り方、グラブさばき、足さばきがすごく良くて、いい意味でずる賢い動きをするんです。当時はセカンドをやっていましたが、この子はショートの方がうまくなるだろうなと思ったんです」

 源田が育った地区には少年野球チームがなく、子どもたちは地元のソフトボールチームに所属する。もれなく源田少年もキャリアをソフトボールから始めている。野球よりも塁間の距離が短く、捕球するとより素早く投げることが求められる。抜群の守備の感覚は小学生の頃に培われたものだろう。

 吉野さんは「この子をショートにしてチームの中心にしよう」と考えた。熱心な誘いを受けた源田は古豪の大分商へ入学することになった。

【次ページ】 高校入学当時の身長は158センチ

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