驚くべきことに、大学までは守備に関しては自己流で磨いてきたことになる。そこからトヨタ自動車で徹底的に鍛えられ、名手となる基礎を築いた。

　高校時代に試合で見せた守備へのこだわりと同様、進む道の選択も自分のこだわりを貫き、夢を実現させた。

「源田の決断には間違いがない。自分の現在地をよく分かっていて、ちゃんと将来を描いているからだと思います」

体が小さくても侍ジャパンになれる

　西武でキャリアを積み上げ、東京五輪で金メダルを獲得した。今回のWBCはレギュラーとしてより重要な役回りになった。走攻守でチームを牽引する活躍が期待されている。

　158センチだった小さなショートを育ててきた吉野さんは今の姿に驚きを隠せない。

「体が小さくても頑張ればここまでなれるという夢を子どもたちに見せて欲しい。まずは怪我をせず高校時代のようにやれることをやって欲しいです」

　指導者人生の最後の教え子となった源田の活躍を楽しみにしていた。それは渡辺さんも同じ。

「今回は源田の人間性も買われて選ばれたと思うんです。世界と戦っても何かするんじゃないかって楽しみですよね」

　世界を相手に「たまらん」活躍を見せてくれると信じている。

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