「最初はよくぞ1位で行ってくれたなと（笑）。ドラフト当日の新聞で外れ1位はある、みたいな記事はあったのですが、実際はどうなのかなと思っていて……。できるだけ高い順位でかかってくれたらと思っていたのですが、巨人は右投手では一番高い評価をしていただいていたようで。結果論となりますが、あっぱれですよ。3、4位で考えていたチームもあった中、1位で取ってもらったところはすごいですよね」

「益田と違って一番連絡をしてこない」

　昨年末、大勢は母校のグラウンドを訪れている。飛躍の1年となったシーズンについて色んな話をしてくれたというが、鈴木監督は「他のOBにはない一面」を教えてくれた。

「益田は契約更改した後に連絡をくれますし、昨シーズンで引退した松永（昂大＝ロッテ）はコーチになった時に連絡が来ました。おそらく翁田が一番連絡をしてこないんじゃないですか（笑）。

　ただ、上の人間から可愛がってもらうタイプです。新人王を獲得した時に、この喜びを誰に伝えたいかと聞かれたときに「桑田さん」と言っていたところも翁田らしいですね。我は強くはないですし、典型的な“次男坊“という感じ。自己主張も強くないですし、感情も表に出さない。でも、与えられたポジションを淡々と投げ切れるタイプ。プロに行っても鼻が伸びるようなところはないですし、驕りみたいなものは感じなかったですよ」

大勢をサポートした桑田コーチ　©︎KYODO

　何より恩師の目には練習に対するひたむきさが一層強くなったように映っている。

「昨年、あれだけの結果を残したのだから、今年はさらに活躍しないといけないという意識があるんだなと感じました。もっと練習したいという意欲は強いようですし、トレーニングに関してはさらにこだわりが増したのではないでしょうか」

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