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「久保建英と名手シルバの相性が抜群」な決定的瞬間…“90+11分フル出場”を撮って感じるソシエダ監督の「クボへの高い信頼」 

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中島大介

中島大介Daisuke Nakashima

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photograph byDaisuke Nakashima

posted2023/03/07 06:00

「久保建英と名手シルバの相性が抜群」な決定的瞬間…“90+11分フル出場”を撮って感じるソシエダ監督の「クボへの高い信頼」<Number Web> photograph by Daisuke Nakashima

カディス戦はスコアレスドローに終わったラ・レアルだが、久保建英とダビド・シルバの連係に光明が見えた

 35分、ソシエダが得たFKのキッカーを巡り、久保とメンデスの間で短いやりとりがあった。その間、イマノル監督の指示がルノルマンに伝わり、久保は左サイドへポジションを変更。すると久保の元へボールが集まるようになる。

 そして2つ目の盛り上がりを生んだ場面は――久保がサイドで相手からボールを奪うとそのまま持ち上がり、鋭いグラウンダーのクロスを送り込む。DFを引きつけたオヤルザバルがスルーすると、その後ろでカルロス・フェルナンデスがGKと1対1の局面を作り出した。GKの好判断で、ゴールを奪うことはできなかったが、後半へ向けて良い感触をスタジアムへ残した。

シルバの復帰で久保と見せた阿吽の呼吸

 後半になってからソシエダはシステムを変更、久保は3トップの左サイドへ入った。より攻撃的にシフトチェンジした中、久保のサイドから攻撃を仕掛ける。まず久保のDF間に針の穴を通すようなクロスに対してオヤルザバルが飛び込むが、あと一歩届かなかった。すると今度はお返しとばかりに、オヤルザバルが、右サイドへ駆け上がった久保へスルーパスを試みるも、カットされてしまった。

 それぞれアイコンタクトを取り、互いの意図がリンクしていたことを確かめ合っている。久保の表情からも、高い次元でプレーを共有できたことへの満足感を窺えた。

 さらに61分には、怪我からダビド・シルバが復帰となった。ピッチ上を自由自在に駆け回ると、ワンタッチでボールを散らし、また敵に囲まれてなおキープしてタメを作るなど、ソシエダの攻撃にリズムが戻ってきた。さらにサイドに張った久保とも、阿吽の呼吸を見せた。

 久保が相手2人の間を破るようにボックス内に侵入すると、そこでシルバがサポート。久保に折り返しを送ったが、コントロールすることはできなかった。さらに久保とシルバの即興的パス交換で3人のDFを翻弄、しかしゴールに結びつけることはできなかった。

W杯でも話題になった“あの主審”が…

 試合は終盤に向け荒れ始めた。なんとか得点の欲しいソシエダと、さらに守備ラインを下げて守り抜きたいカディスとの両チーム間での攻防が激しさを増す。

 その火にさらに油を注いだのが、マテウ・ラオス主審だった。先のカタールW杯で、1試合18枚ものイエローカードを出し話題となったあの審判だ。その反動だろうか、極端にカードを出さなかったことで試合のコントロールを失ってしまったか。攻め続けるソシエダ勢が、様々な判定に対して主審に詰めよるシーンが見られた。

 アディショナルタイムは11分、捨て身の猛攻も功を奏せず、無得点ドローで試合は終了した。

【次ページ】 「90+11分フル出場」を託された久保の信頼度の高さ

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