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「ああ、コントレイルにお辞儀を…」福永祐一は、カメラの前で“2度泣いた”…感動の名シーンを激写したカメラマンが「忘れられない一枚」
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byKeiji Ishikawa
posted2023/03/04 11:00
史上3頭目の無敗三冠馬となったコントレイル。2021年のJCで有終の美を飾り、福永祐一は鞍上で感極まった
“2度の涙”を収めたカメラマンが「忘れられない一枚」
石川には、忘れられない写真がある。
それは、レース後に福永がメインスタンドまで戻ってくる手前の、とある瞬間を収めた一枚だ。
晩秋の東京競馬場に射す陽光が、人馬を祝福するかのように降り注いでいる。
「すごい逆光で、実際にはほとんどなにも見えない、という状況のなかで撮影した一枚です。日差しのせいで、福永さんが今どんな表情をしているのかもよくわからない。でも、とにかく光が綺麗で、この雰囲気を生かしたものを撮りたい、と」
ワグネリアンのダービーで撮影された写真で、観客席まで含めた構図を用いたのとは変わり、こちらの一枚には、コントレイルと福永の“2人の時間”が収められている。
「福永さんとコントレイルが主人公になるよう、いかに写真として引き立たせるか。電光掲示板やビル群など、日差しの他には余計なものがなにも入らないように意識していました。だから、ワグネリアンの写真とは逆の発想で撮った一枚かもしれないですね」
キャリア後半にして数々の栄誉を手にしたジョッキー・福永祐一が見せた、2度の“男泣き”――。JRA通算2636勝、GI34勝。数々の偉大な記録とともに、ファンの記憶のなかで、福永の姿が消えることはない。《後編「カメラマンが見た福永祐一の素顔」編につづく》
(撮影=石川啓次)
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