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若き福永祐一は「周囲の先輩に気を遣って…」異例すぎたデビュー戦を“間近で目撃”したカメラマンの証言…「1週間密着企画」で見せた神対応
posted2023/03/04 11:01
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Keiji Ishikawa
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1996年3月2日、中京競馬場。新人騎手・福永祐一のデビュー日には、例を見ないほどのマスコミが詰めかけていた。
文藝春秋写真部のカメラマンとして、雑誌『Sports Graphic Number』からの要請で“天才2世”の撮影に臨んだ石川啓次は、当時をこう振り返る。
「異常な、異常な報道陣の数だった。初の女性騎手の誕生など、この年は新人の話題で盛り上がっていたのに加え、あの福永洋一騎手の息子のデビューでしたから。今振り返ると、武豊騎手の弟、武幸四郎騎手(現在は調教師)のデビューにもまさる注目度だったと思います」
カメラマンが見た「幼さの残る」デビューの日
デビュー戦となったその日の第2レースにて、1番人気のマルブツブレベストに騎乗した福永は、なんといきなり勝ち星をあげる。
「勝ってしまったときは、痺れました。どのマスコミも、福永さんのデビューを撮りに来ている。その目の前で、勝ってみせたんですから。レンズを覗きながら、『そういう星の下に生まれた人間なんだ』と感じていました」
馬場から引き上げてきた福永は、地下馬道の横のスペースに急遽設けられた“特設会見場”で、マスコミに囲まれた。石川の撮影した写真は、インタビューが終わり、椅子から立ち上がった瞬間の若き日の福永の表情を、ありありと写している。
「当時はまだ落ち着きがない、幼さの残る様子だったのを覚えています。今とは全然違いますね(笑)。緊張している様子はあまり感じませんでしたが、一番年下で、先輩ジョッキーたちがたくさんいる中で注目されて、周囲に迷惑が掛からないように……と気を遣っていたような気がします」