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WBCでも注目の「第二先発」、カープなら浮沈の鍵を握るのは誰? 候補はアドゥワ、益田、河野、コルニエル

posted2023/02/27 06:00

 
WBCでも注目の「第二先発」、カープなら浮沈の鍵を握るのは誰? 候補はアドゥワ、益田、河野、コルニエル<Number Web> photograph by JIJI PRESS

第二先発の座を争う益田武尚(左)と河野佳(中央)。右は2人と同期でドラフト6位、杉田玄白の子孫と話題になった長谷部銀次

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前原淳

前原淳Jun Maehara

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 春季キャンプの最終盤となれば、各チームの開幕へ向けた形が見えてくる。新井新体制の広島も、徐々にポジション争いの序列が明らかになってきた。野手は主力の順調な仕上がりが目立ち、大きな変動は見られそうにない。一方、投手陣は栗林良吏までつなぐ「勝ちパターン」の形はまだ決まっていない。そしてもうひとつ重要なポジションである、「第二先発」もまた横一線のポジション争いとなっている。

 第二先発の役割は先発が早い回に崩れたとき、長いイニングを投げることで中継ぎ全体の負担を減らすこと。ロングリリーフの役割であると同時に、劣勢での登板となるだけに投球テンポや制球力が求められ、投球次第では試合の流れを変えることもできる。リーグ3連覇の時は九里亜蓮やアドゥワ誠がその役割をきっちりと果たし、投手陣を陰ながら支えてきた。スポットライトを浴びにくいが重要なポジションであり、新井貴浩監督も第二先発を置く考えだ。

 2月23日の楽天との練習試合で2イニングを任された3投手がその候補となる。2018年に53試合に登板した経験のあるアドゥワ誠と、新人のドラフト3位益田武尚投手、同5位の河野佳投手だ。

 その楽天戦後、新井監督は新人2選手の第二先発起用の可能性について問われると、こう答えた。

「それもありますね。それもあります。それもあります」

 優しくほほ笑む表情は、否定ではなく、肯定しているように見えた。新人2投手は「(先発と中継ぎ)どちらにも適性がある」と新井監督は見ている。

 アドゥワには経験があり、持ち味の動く真っすぐの精度が上がっている。フォームがスリークォーター気味となって球速も上がっている。楽天戦では149kmを計測した。

生き残りをかけた、第二先発争い

 第二先発要員の決定には、開幕ローテーションがほぼ埋まっているチーム状況も影響する。

 手術明けの森下暢仁に開幕ローテ入りのめどが立ち、昨年8月の右足関節骨折から復帰を目指す床田寛樹も2月26日の中日とのオープン戦に登板。ほかの先発候補と同じように調整登板を重ねている。そこに開幕投手最有力の大瀬良大地と九里を加えた4本柱は確定。2年目の助っ人ドリュー・アンダーソンも濃厚だろう。

【次ページ】 第二先発から先発の柱に成長した九里

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