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WBCでも注目の「第二先発」、カープなら浮沈の鍵を握るのは誰? 候補はアドゥワ、益田、河野、コルニエル 

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前原淳

前原淳Jun Maehara

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posted2023/02/27 06:00

WBCでも注目の「第二先発」、カープなら浮沈の鍵を握るのは誰? 候補はアドゥワ、益田、河野、コルニエル<Number Web> photograph by JIJI PRESS

第二先発の座を争う益田武尚(左)と河野佳(中央)。右は2人と同期でドラフト6位、杉田玄白の子孫と話題になった長谷部銀次

 残るは1枠しかない。遠藤淳志や2年目の森翔平にロベルト・コルニエル。二軍にも玉村昇悟がいる。

 彼らの中で第二先発にまわる可能性があるのは、昨年中継ぎとして登板したコルニエルくらいだろう。他の投手たちは開幕ローテから外れたら、二軍で先発登板を重ねながら昇格の機会を窺うことになる。

 先発投手は今後、シーズンに向けて投球回を増やしていく。3月に予定されているオープン戦は14試合。開幕が約1週間早かった昨年と同じ試合数であり、二軍の教育リーグやウエスタンリーグ公式戦を含めても、先発投手の調整の場は限られる。

 アドゥワ、益田、河野の3投手がオープン戦で与えられる1試合の登板回数が、有力な先発候補を追い抜くとは考えにくい。

 第二先発からスタートしても、登板を重ねて結果を残し、先発陣が欠けることがあれば先発にまわることもある。チームからすると一軍登録選手の入れ替えをせずに済むメリットもある。もちろん、シーズン途中から先発に固定される可能性も十分にあるし、まだ固まっていない勝ちパターンに起用される可能性だってある。

第二先発から先発の柱に成長した九里

 チーム状況によって役割が変わってくるとはいえ、結果を残せば明確な役割を与えられる。たとえば九里は入団から6年間は先発と中継ぎを兼任したが、2020年から先発の柱となった。中継ぎでの主な役割は第二先発で、2016年は先発10試合、中継ぎで1イニング登板9試合、中継ぎで複数イニング登板8試合という万能ぶりを示した。2番手として5回2/3を投げた試合もある。首脳陣にとって、これほど助かることはないだろう。

「(投手陣は)中長期的なプランニングをして、マネジメントしなければならない」

 就任会見で新井監督が語っていたように、投手陣全体の負担が偏らないためにも第二先発の存在はひとつのカギとなる。アドゥワか益田か河野か、それともコルニエルか。春季キャンプで繰り広げられた争いはシーズン開幕で終わるのではなく、シーズンに入ってからも続く。競争の熱が、チーム力の上昇にもつながる。

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