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憧れダルと“ふたりっきり”で練習…「侍ジャパンの弟キャラ」宮城大弥21歳の“愛されすぎな日常”「バス移動中のひょっこり姿」に癒された
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph byHideki Sugiyama
posted2023/02/20 17:09
侍ジャパンの宮崎合宿では、ともに行動する時間も多い宮城大弥と佐々木朗希
雲の上の存在だったスターとの初対面に、どうやって話しかけるか――。実は、同学年の仲良しで共に代表入りした佐々木朗希(ロッテ)とは、合流を前に“作戦会議”をしていたと言う。考え抜いた宮城は「プロテインは何味ですか?」と話しかける予定だったが、佐々木がテレビのインタビューでそれを明かしてしまったため、「(台詞が)もう使えなくなってしまった」と苦笑い。「もう一度(佐々木と)二人で色々考えたい」と頭を悩ませていた。
「球界屈指の弟キャラ」宮城大弥の“愛され力”
ダルビッシュへの挨拶は難なく済ませ、合宿初日の17日には、全体練習後の個別練習でその佐々木とともにダルビッシュに入門。フォークの握りを教わるなど約40分間にわたって話し込んだ。翌18日のブルペン投球では早速教わったフォークを投げ、「試してみました。良かったです!」と手応えを明かしていた。
球界屈指の弟キャラである宮城の“愛され力”には驚くばかりだ。トップチームでは初の国際大会出場にもかかわらず、合宿の1クール目にして早くも憧れのダルビッシュを“独占”することに成功。練習中には、同じ左腕の高橋奎二(ヤクルト)や、今永昇太(DeNA)と笑顔で会話したり、野手でも同郷・沖縄出身の山川穂高(西武)からアップ中に話しかけられるなど、すっかり人気者になっている。
所属のオリックスでは、日本球界のエース・山本由伸に弟のように可愛がられ、愛のある“イジリ”を受けている宮城。プロ2年目から2年連続二桁勝利を挙げ、先発として既に50試合に登板する凄すぎる実力の反面、素朴で人懐こい性格とのギャップが錚々たる先輩に愛される理由だろうか。合宿2日目、室内練習場からの移動のバスの車中では、いずれもオリックスの先輩である山本と宇田川優希が並んで座っている真後ろの座席から前に乗り出し、先輩二人の間からちょこんと顔を出してはしきりに話しかける無邪気な姿に、“愛され力”の真髄を見た気がした。