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「ユヅの頼みなら無条件でイエス」震災追悼アイスショーも出演予定のジェイソン・ブラウンが“日本の大会”で復帰を決めた日《独占インタビュー》
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byGetty Images
posted2023/02/09 17:01
全米選手権で約1年ぶりの復帰を果たし、2位となったジェイソン・ブラウン。日本でも人気の彼に、独占インタビューを行った
「ユヅの頼みなら、無条件でイエス」アイスショーにも出演
3月には、羽生結弦さんが宮城県で開催するアイスショー「ノッテステラータ」に出演する。
「僕はユヅの頼みなら、無条件でイエスと言う。彼にとってこの震災追悼のアイスショーがどれほどの意味を持っているのか理解しています。だから自分にできることなら、何でもやる。観客のみなさん、被害にあった市にとって、深い意味のあるイベントなので出演を頼まれたことは光栄でしたし、全力を尽くして滑るつもりでいます」
2018年の夏からトロントのクリケットクラブでトレイシー・ウィルソンとブライアン・オーサーコーチに師事しているブラウンは、羽生さんのトレーニングメイトでもあった。
「彼を試合で見ていると、とても安定していてやること全てがごく自然に見えるんです。でもトレーニングをしているところを見て、ああ、あの演技にはこれほどの練習の裏付けがあったのかと衝撃的でした。彼はいつも強い明確な目的意識を持って、普通のスケーターなら調子が悪いから休もうと考えるような時でも、再び氷の上に戻って来る。彼の強い意志と情熱には、とてもインスピレーションを与えてもらいました」
親日家・ブラウンが描く“今後の可能性”は…
現在はトロントでトレーニングをする傍ら、実家のあるシカゴで練習をしたり、ツアーで外に出たりしていることも多い。「ノッテステラータ」に出演した後は、世界選手権まで日本に滞在して調整をするのだという。親日家で、日本語も勉強しているブラウンは、日本での長期滞在を心待ちにしている。4月には国別対抗戦も開催されるが、まだ出場できるかどうかはわからない。
「国別対抗戦は僕のもっとも好きな大会の一つで、出られたら嬉しいのですが、世界選手権が終わるまで発表されないので」。そう語るブラウンは、来季のことはまだ考えていない。1年ずつ試合とショーをこなしてみて、慎重に決めていきたいという。
「ミラノ(2026年オリンピック)を目指す可能性は残しています」とブラウン。
「でもそのことについては、まだ考えていません」
日本でも大勢のファンがいる彼が、さいたまスーパーアリーナでどのような戦いぶりを見せてくれるのか、楽しみだ。
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