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退場歴ゼロも私生活で大乱闘「助けに入った仰木(彬)さんの浴衣の帯が…」結婚式場で何が? それでも栗橋茂が“近鉄の初優勝”に必要だったワケ
posted2023/02/13 11:01
text by
岡野誠Makoto Okano
photograph by
BUNGEISHUNJU
昭和のパ・リーグはベンチの「ドタマ(頭)行け!」という掛け声とともに、ビーンボールが飛び交っていた。近鉄の4番・栗橋茂は通算96死球を受け、シーズン四度も2ケタのデッドボールを食らっている。だが、退場歴は一度もない。そんな温厚な男も、私生活では大乱闘を起こしていた――。近鉄の伝説的4番がNumberWebのインタビューに応じた。(全4回の2回目/#1へ) ※敬称略。名前や肩書き、記録、ボールカウントの表記などは当時
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地元の漁師とケンカ…一体何が?
「コラァ! 栗橋出せ!」
高知・宿毛キャンプで近鉄の選手が寝静まった深夜、旅館にガラの悪い輩が集まってきた。一体、何が起こったのか。
「俺が入ったスナックで、ジャンボ仲根が地元の漁師さんと一緒に飲んでたの。向こうの人の飲み方って強烈だから、アイツしんどそうだった。止めに行ったら、『おまえ誰だ?』って絡まれて。『うるせえ、コラ。もうジャンボ来い』って引っ張って帰ろうとしたら、『ちょっと待て』と大喧嘩になった。鉄のストーブはバラバラに弾けて壊れたし、店がひっくり返るような騒ぎになった。フロントのスタッフがラグビー上がりだったから、タックルで止めに来たね」
その夜、漁師たちがトラックの荷台に乗って、近鉄の宿舎に押し寄せてきたのだ。
「酔っ払った勢いで来たらしいよ。俺は寝ていて知らなかった。お店のマスターが上手く収めてくれたみたい。『おまえ、なんてことしてくれるんだ!』って怒られたけど。一晩明ければ、お互いさっぱりする。その後は何もなかったね」
結婚式場でも…「ワケわかんねえ出来事だった」
栗橋茂の乱闘はキャンプ地だけに収まらない。ある年、奈良の橿原球場でオープン戦があった。ロッカールームがないため、隣接するホテルの部屋に戻って着替えを行い、風呂へ向かおうとした時、事件が起こった。