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「アルテタ監督の練習は毎日が試験です」冨安健洋24歳が明かす、“首位アーセナルの雰囲気”「プレミアのアタッカーでイヤだったのは…」
posted2023/02/10 17:29
text by
豊福晋Shin Toyofuku
photograph by
Ryu Voelkel
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「(アーセナルでは)毎日試験を受ける感覚です」
「プレミアというよりも、アーセナルでやれていることの方が意味があると僕は思っているんです」
1月のとある午後、プレミアリーグについて話をしているときに冨安健洋はそんなことを口にした。
プレミアは2023年現在、巨額の資金が集まり、世界で最も多くのタレントを有しているリーグだ。世界中の多くの選手が、いつかは身を置いてみたいと願う舞台だろう。しかし冨安にとって、プレミアにいることはすでに日常になっている。
そこに属することではなく、そこで何を得て、吸収するのか――。その点でアーセナルは絶好の環境だという。
「なによりもアルテタ監督のサッカーですね。彼の練習では毎日かなり高いレベルのパフォーマンスを求められます。当然ながら、周りのチームメイトの質やレベルも非常に高い。プレミアは世界一のリーグと言われますが、それは間違いないと思います。でもそれだけじゃなく、それにプラスしてアーセナルでサッカーをできているということが、よりここにいる意味があると僕は考えています。毎日試される、試験を受ける感覚ですね。レベルの高いところでやれているなと」
「アルテタ監督はケガのときもアドバイスをくれた」
アーセナルの練習は当然のように非公開だ。実際にアルテタの練習を見ることはできない。このバスク人の頭にはどんな絵が描かれているのか。アルテタはサッカーにおける全体像と構造を把握している、と冨安は説明する。
「なぜこの練習をするのか。アルテタ監督はその答えを明確に持っているんです。全てに細かくて、それを選手に伝えて、実行させることができる。サッカーの全体像と構造。それを知っているからこそ、何が必要で何を練習しなければならないという逆算が明確にできている。彼の頭の中にはゴールまでの道筋があるんです。『相手がこうしてきたら、ここが空く』、『だからここにボールを集めて、次はこう展開していく』という風にゴールまでの明確な答えがある。明確な答えがないと逆算はできない。そこがはっきりしているからこそ、選手が監督にここはどうしたらいいのかと訊くときに、はっきりと答えが出てくる」