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ハーランド&ウーデゴールらタレント続出…ノルウェーのTV局クルーに聞いた“黄金時代の予感”「3年後のW杯では主役になるんだ」
posted2023/02/07 06:00
text by
豊福晋Shin Toyofuku
photograph by
Getty Images
ひとりの巨人が北国のサッカー人気を急激に高めている。
「ホーランの影響は大きかった。黄金時代の到来と皆が期待している」
1月、母国のFWセルロートの取材でサン・セバスティアンを訪れていたノルウェーのテレビ局TV2のクルーと数日間行動をともにした。
プロデューサーのストゥロットいわく、異常な人気を牽引するのはやはりマンチェスター・シティの“ホーラン”(ノルウェー語では「ハーランド」でも「ホーランド」でもなくホーランだった)。父親がプレーしていた歴史もあり、コンテンツや視聴率ではシティの試合が圧倒的。ハーランドはサッカーメディアだけでなく、英国版『GQ』の表紙を飾るなど世界的サッカーアイコンになりつつある。市場価値を見ても、エムバペと並んで現在最高ランクだ。
2番手は今季の活躍で価値を高めたアーセナルの中心ウーデゴール。さらにその後ろにもタレントは続く。
「レアル・ソシエダでの活躍でセルロートの人気もでてきた。ベンフィカに移籍したシェルデルップも大きなポテンシャルがある。やっと世界で戦えるタレントが出てきた」
ノルウェーの夢「3年後のW杯では主役になるんだ」
ノルウェーはいわゆるサッカー国ではない。人気スポーツではあるが、ファンはホッケーやその他のウィンタースポーツと分散される。人口もわずか540万人。ここ数年でタレントが続出する理由を育成の成功とする見方もあるが、タイミングが重なった幸運との意見も多い。
ノルウェーはW杯には3大会しか出場していない。最後に出場したのはトーレ・アンドレ・フローらの活躍で決勝トーナメントに進出した1998年のこと。'00年生まれのハーランドは母国代表のW杯をリアルタイムで見たことはないわけだ。
状況は10年ほど前のベルギーに似ている。ベルギーもアザールやデブライネなど多くの選手が重なるように出てきた。国内からプレミアを中心とした他国へ素材を輸出しレベルの高い環境で磨いてもらい代表に還元。ノルウェーは第2のベルギーとなれるポテンシャルがある。
「ノルウェーの時代が来ることを国が楽しみにしている。3年後のW杯では主役のひとつになるんだと」
毎週末、“ホーラン”と仲間たちの活躍にテレビの前のノルウェー人は夢を見ている。