Jをめぐる冒険BACK NUMBER
なぜ柿谷曜一朗はJ2徳島に移籍したのか「名古屋には申し訳ないんやけど…」 笑顔で「めちゃ楽しい」と語る“33歳の新たな挑戦”
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byTakuya Sugiyama
posted2023/02/01 11:03
33歳となった柿谷曜一朗。若き日に再生した徳島ヴォルティスの一員として再び、戦いのピッチへと向かう
「8番以外にも、いい番号、いっぱい空いてたんで。(前回背負った)13番もそうだし、10番もそう。10番もカッコええなと思ったんですけど、クラブが8番で、っていう感じやったから。でも、セレッソでも、名古屋でも8番を着けさせてもらって、娘も8番の僕しか知らないんで。それこそ上の娘は駐車場でもなんでも、8番を見つけたら『パパの8番』と言うてくれるから、徳島でも8番を着けたら喜んでくれると思うし。娘にもそろそろええところ見せないと。4歳になって、いろいろ分かってきよったんで(苦笑)」
何か知らんけど、俺の部屋、人がたくさん来よるんですよ
キャンプ地のホテルでは名古屋時代のチームメイトで、柿谷を「師匠」と慕う児玉駿斗と同部屋だったという。
「なんか知らんけど、俺の部屋、人がたくさん来よるんですよ」と困ったような口調で言ったが、表情は決して困っているようには見えなかった。おそらくチームメイトたちが柿谷と接したくて、代わる代わる訪れているのだろう。周囲の人間をぐいぐいと引き寄せる魅力は、天性のものがある。
決して長くはない取材時間の間に、柿谷はいったい何度「楽しい」という言葉を口にしただろうか。改めて思わずにはいられなかった。やはり、この男には笑顔がよく似合う。願わくば、この笑顔がシーズンを通して続くことを――。
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