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野球クロスロードBACK NUMBER
元中日・平田良介は「落合博満に救われた」…たった一つの“助言”とは? 現役引退の報告は「何度か電話かけてるんですけど…」
posted2023/02/01 11:01
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph by
Genki Taguchi
小学1年から始めた野球。高校まで12年、プロでは17年もプレーした。実に29年。昨年末に現役引退を表明した元中日の平田良介は、野球選手だった自分を俯瞰する。
「野球人生を辿ると、何かとついて回ってきたのがホームランだと思うんですよ。自分はホームランバッターではないけど、そこが平田良介を語る上で絶対に出てくるな、と」
甲子園で「1試合3本塁打」。鳴り物入りで中日へ
確かに、平田と言えばホームランだ。
高校時代は大阪桐蔭3年時に出場した夏の甲子園準々決勝で、PL学園の清原和博が記録して以来、21年ぶりの「1試合3ホームラン」の偉業は、もはや語り草となっている。プロでも通算105本のホームランを打った。
ただ平田が語るに、「ホームランを打てる」と「スラッガー」は一味違うというのである。
「なんか違う……ホームランの数ではないんですよね。例えば、去年引退した糸井(嘉男)さんは100本以上打ってるけど、ホームランバッターって言う人は少ないですよね。でも、楽天の“おにぎり君”(横尾俊建)は糸井さんより少ないのに、ホームランバッターって言う人が多いですよね。そこには選手のプレースタイルも含まれるんでしょうけどね」
糸井は日本ハム、オリックス、阪神で平田を上回る171本のホームランを記録しているが、鋭い弾道で外野の間を抜くような長打の多い中距離ヒッターである。対して横尾はプロ7年間で糸井よりもはるかに少ない通算21本ながら、鮮やかな放物線を描くホームランが持ち味のバッターと呼ばれている。
平田は「バットが金属、木製とか関係なくて、ライナー性の角度でビューンって飛んでいく打球が多かったと思います」と語っているくらいだから、きっと前者のタイプだ。
そんなバッターを評価したホームランバッターこそ、落合博満だった。