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[単独インタビュー]三笘薫「僕はヒーローになりたい」
posted2023/01/26 09:04
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph by
Kaoru Watanabe/JMPA
この男にボールが渡ると、何かが起きる――。唯一無二の輝きを放つ25歳。W杯で異次元の存在感を見せた“主役”は、英国でも圧巻のプレーを続ける。世界を震撼させるドリブラーは、次の大舞台に向けてどんな思いを語るのか。
W杯の修羅場がダイヤモンドの輝きにさらに磨きをかけた。三笘薫はカタールW杯後、プレミアリーグの名だたるDFたちをひれ伏させ続けている。
昨年12月26日のサウサンプトン戦で先発フル出場すると、続くアーセナル戦では裏に抜け出してゴール。エバートン戦ではドリブルで切り込んで2試合連続弾を決めた。
アシストをあげたFAカップのミドルズブラ戦を含め、リーグ再開後はすべての公式戦で先発(20節時点)。リバプールと対戦した20節ではプレミアリーグのベストイレブンに選ばれた。
あまりの活躍ぶりにイギリスの放送局『スカイスポーツ』が三笘の筑波大学での卒論「サッカーの1対1場面における攻撃側の情報処理に関する研究」を取り上げたほどだ。
すでに三笘は10月29日のチェルシー戦でプレミア初先発を果たし、続くウォルバーハンプトン戦で初ゴールを決めて飛躍の兆しを見せていたものの、W杯後はさらに一段階上のパフォーマンスを見せている。
いったいW杯で何が変わったのだろう?
三笘は「信頼」を理由にあげた。
「自分の準備の仕方は特に変わってないんですが、チーム内の信頼度が変わったイメージがありますね。W杯を見て『意外とやれる』ということで、デゼルビ監督からの信頼も大きくなったと感じています」