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[ヒーローの次なる野望]三笘薫「ストレスが自分を成長させてくれる」
posted2022/05/06 07:02
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph by
Miki Sano
一夜にしてシンデレラボーイの座を獲得した強気なドリブラーは、プレーの印象とは異なる、堅実な未来図を描いていた。遠回りを厭わず“完全な自信”に近づくための方法論を明かす。
カタールW杯で期待する選手は誰か――。
スポーツ総合サイトの投票で大差をつけて1位に輝いたのは、三笘薫だった。
プロ1年目でJリーグベストイレブンに選出され、昨夏に加入したベルギーのユニオン・サン・ジロワーズでも瞬く間に主力となった。そして、3月24日のオーストラリア戦では約10分の出場で2ゴールを決め、日本代表を7大会連続W杯出場に導いた。
三笘なら、ドイツの、スペインの守備網をも切り裂けるのでは?
あの鋭く、破壊的なドリブルに、誰もが夢を見たくなるだろう。
日本のサッカーファンの期待を背負うウインガーは今、何を思うのか。
彼の胸のうちを探るうえで、気になっていることがあった。オーストラリア戦3日前の囲み取材で、三笘は「命懸けで戦おうと思います」と語ったのだ。20年近く日本代表の取材をしているが、そこまでの覚悟を聞いたことがない。しかも三笘はあの時点で、代表キャップが1しかなかった。
何が三笘にそう言わせたのか。真意を確かめることからインタビューを始めた。
――思っていても、なかなか出ない言葉だと思います。
「言った瞬間、ニュースになるなって思いました(笑)。W杯出場が決まる試合に出られる機会はなかなかないですし、勝てば決まる状況だったので、ここで決めるしかない、という意味で使いました」