振り返れば、昨年7月のプレシーズンマッチでは「ひとつ結果がでないと、やっぱり信用されない。どう信頼を得るかというところだと思います。まずはベンチに入れるように、そこは意識したい」とまずはベンチ要員からスタートしたプレミアでの挑戦について抱負を語っていた。あれから半年が経過し、三笘を取り巻く状況は大きく様変わりした。

　今や三笘はレギュラーに完全定着し、自身が走り出せば、味方から自然とパスが集まるようになった。シーズン序盤は味方からなかなかボールが来ないシーンもあったが、今では面白いようにパスが入る。今、ブライトンにとって不可欠な存在であるのは間違いない。

リバプール戦、3ゴール目を挙げたFWウェルベックを笑顔で祝福する三笘　©AFLO

　こうした状況の変化を受け、三笘のプレーにも違いが見える。闇雲に突破を図るだけでなく、周囲を活かすプレーも意識的に取り入れているという。

「全部行って、突破できたらいい話なんですけど、そんなうまくいかないので（笑）。そこをうまく使いながらっていうところ。もっと、もっとフィジカルレベルを上げていき、逆にもっと仕掛けて、自分で完結できるようにはなりたいですけど。まだそういう状況でもないので。（周囲を活かす動きを）うまく使いながら、勝負どころを考えていますね」

　リバプールは、守備時になるとインサイドMFのジョーダン・ヘンダーソンを自陣深くまで下がらせ、アレクサンダー=アーノルドと2人で三笘のマークについた。三笘は、ある時はサイドでコンビを組む左SBペルビス・エストゥピニャンをパスで走らせたり、またある時は早めにクロスを入れたりと、状況に応じてプレーに変化をつけていた。

　勝負どころを押さえながら、周囲を活かすプレーを意識的に取り入れている点も、三笘が余裕と自信を持ってプレーできている何よりの証拠だろう。

リバプールのモハメド・サラーを左SBエストゥピニャンと挟んでストップしたシーン　©Getty Images

「ミトマはネイマールに似ている」

　では視点を変えて、プレミア戦士たちの目に三笘はどう映っているのだろうか。12月26日に対戦したサウサンプトンの選手たちは、日本代表アタッカーについて「良い選手」と口を揃えた。

　三笘とマッチアップしたDFカイル・ウォーカー=ピータースは、事前に三笘のプレー映像を繰り返し確認し、対策を練っていたという。しかし実際の試合では、プレミアリーグでも屈指の身体能力を誇るウォーカー=ピータースが完敗。三笘がマッチアップで圧勝した。

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