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「ミトマはネイマールのようだ」「ミトマの動画を何回も見たのに…」三笘薫25歳と対戦した英国人DFたちが明かす“なぜミトマに抜かれたか”
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byGetty Images
posted2023/01/20 17:01
「ミトマはネイマールのようだ」プレミアリーグ直近6試合で3得点1アシストと好調をキープする三笘薫(25歳)。対戦した英国人DFたちも「良い選手だ」と率直に語った
興味深いのは、ウォーカー=ピータースが三笘に関して「足の速さは、プレミアリーグの中では普通のレベル」と語っていた点だ。むしろドリブルの緩急のつけ方、フリーランの飛び出し、ひとつひとつの動きに速さを感じたという。サイドでコンビを組んだ右MFムサ・ジェネポがあまり守備に戻らないアタッカーで、ウォーカー=ピータースが単独で三笘に対応せざるをえなかった点も苦戦の要因だったという。裏を返せば、三笘には2選手でケアすることが必要ということになる。
またスコットランド代表FWチェ・アダムスも三笘を褒め、「ネイマールに似ている」とその印象を語った。
三笘自身が「ネイマールのドリブルは昔よく見ていました。『なんでこれで抜けるんだろ?』って。見れば見るほど不思議でした。難しかったですけど、彼のような動きをした方が敵を抜けるところがありますから」と語っていたように、少年時代にブラジル代表FWのプレーを真似してドリブルの技を磨いていた経緯がある。
アダムスが先入観なしに三笘とネイマールを「似ている」と表現し、日本代表を高く評価していたのは非常に面白い。たしかに、事前にステップを入れて敵の体勢を崩し、反発ステップで一気に抜き去る三笘のドリブルは、ネイマールにとてもよく似ている。
ピッチ上で対戦したウォーカー=ピータースとアダムスの言葉は、三笘の特性とストロングポイントを的確に言い表しているだろう。
「三笘には毎日、10ゴールと伝えているよ(笑)」
リバプール戦後、ブライトンを率いるロベルト・デゼルビ監督は「三笘はファンタスティックなプレーヤーでナイスガイ。彼のことを愛してやまないが、もっと多くゴールできると思う。ゴールを増やすことが課題だ。だが彼はチームのことも考えて動いているし、素晴らしい能力を持っている」とコメント。ファイナルサードで大きな存在感を示しながら、「守備」や「周囲との連携」のタスクをこなす三笘を評価した上で、もっとゴールを奪ってほしいと訴えた。