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大谷翔平は「高校生レベル」と酷評、野茂英雄も「金の亡者」と中傷されたが…メジャーリーグ1年目、2人のパイオニアはいかに逆境を越えたのか?
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byNanae Suzuki/BUNGEISHUNJU
posted2022/12/31 17:02
日本人メジャーリーガー、大谷翔平と野茂英雄
大谷翔平も、メジャー1年目は“酷評”された
不可能を可能とする。この言葉は今や日米の球界において大谷翔平を象徴する言葉になった。
18年。二刀流として鳴物入りでエンゼルスに入団しながら、春のオープン戦ではまったく結果が出せないでいた。投手として0勝1敗、防御率27.00、打者では打率.125、本塁打0。敏腕として知られる現ESPNのジェフ・パッサン記者が酷評した。
「大谷はまだメジャーレベルではないとスカウトが評している。打撃に関しては高校生レベルだ」
今では「ユニコーン」として、球界で唯一無二の選手という評価を得たが、コロナ禍で60試合制の短縮シーズンとなった20年シーズンの成績は、打者として打率.190、7本塁打、投手として0勝1敗、防御率37.80。それでも彼は己を信じ、二刀流の道を信じた。
「まわりの人がどう思っているかは、僕にはわかりませんが、(二刀流を)やりたいなと思っていますし、それができるように頑張りたいなと思っています」
野茂と大谷に共通する“信じる強さ”
逆境であっても、野茂も大谷も決してあきらめなかった。そして、自分を信じる強さがあった。残した足跡が彼らの心の在り方を示している。
「impossible」から「I’m possible」へ。立場に関係なく、乗り越えなければいけない壁は誰にでも存在する。プレッシャーに押しつぶされそうになりながらも、立ち向かい、前へと進む強さこそ、成功への道のりと信じる。新たなる年を希望あふれる一年としたい。
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