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2歳馬とは思えない…朝日杯FS制覇、無敗馬ドルチェモアの「大人びた勝ちっぷり」がスゴかった…今後はマイル路線か、ダービーか
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byPhotostud
posted2022/12/19 17:00
12月18日の朝日杯FSを制したドルチェモアと坂井瑠星
ドルチェモアの「大人びた勝ちっぷり」
ドルチェモアは、新馬戦、サウジアラビアロイヤルカップ、そしてこのレースと3連勝でGI初制覇。デビュー7年目、25歳の坂井にとっては、今年の秋華賞(スタニングローズ)につづく2つ目のGIタイトルとなった。
前半800m通過は45秒7と、前週の阪神ジュベナイルフィリーズの45秒2ほどではないが、速い流れになった。その激流に呑みこまれることなく好位におさまり、前の馬の動きを見ながら追い出すタイミングをはかっていた。まるでベテランのように落ちついた手綱さばきだった。それができたのも、ドルチェモアの操縦性の高さと、反応の鋭さがあったからこそ。2歳馬離れした、大人びた勝ちっぷりであった。
12月28日のホープフルステークスにも2戦2勝の無敗馬が4頭登録しており、それらのどれかが勝つ可能性もあるので確定とは言えないが、最優秀2歳牡馬のタイトルをぐっと引き寄せたと言えよう。
プレビューでも触れたように、ドルチェモアは、今年1月にこの連載で公開した「2022年全GI予想」で朝日杯の本命にした馬だった。全GI予想でピックアップした馬が2歳GIに出走したこと自体が初めてだっただけに、マグレの的中とはいえ、個人的にはとても嬉しい結果となった。
ダノンタッチダウンのポテンシャルは“計り知れない”
首差の2着には川田将雅のダノンタッチダウンが追い込んできた。前走の重賞で素晴らしい末脚を見せながら差し届かず2着だったあたり、同じく川田の手綱で前週の阪神ジュベナイルを勝ったリバティアイランドにイメージが重なっていた。今回も追い込み切れなかったが、緩さを残す大型馬だけに、ポテンシャルにははかり知れないものがある。
さらに首差遅れた3着には、1戦1勝だったレイベリング。ドルチェモアをマークするような位置で進み、最後まで伸びていた。騎乗した横山武史が言っていたように、2戦目でGI3着はすごい。「怪物」フランケル産駒の超良血馬。こちらもまだまだ大きな伸びしろがある。