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61歳で死去・渡辺徹さんは将棋愛にあふれた人だった 「天国で好敵手の志村けんさんと…」かつて取材した田丸昇九段が悼む
text by
田丸昇Noboru Tamaru
photograph byBUNGEISHUNJU
posted2022/12/20 11:00
朗らかな笑顔でお茶の間の人気者だった渡辺徹さん。将棋愛好家としても知られた(2015年撮影)
渡辺さんは青年時代、1日に6000キロカロリーも取るほどの大食漢だった。体重は最多で130キロに達した。そのために30歳で糖尿病が発覚した。その後、郁恵さんの徹底した食生活の管理で、体重は落ちていった。近年は見違えるようにスリムに見えた。
しかし、心疾患などの手術によって、仕事を休む事態にもなった。最近は腎不全で人工透析を受けていた。
好敵手の志村さんと、心おきなく将棋を…
渡辺さんは今年の11月20日、発熱と腹痛の症状で入院した。細菌性胃腸炎という病気で、必ずしも重篤ではなかった。しかし、基礎疾患があって免疫力が低下していたので、敗血症を併発して次第に衰弱していった。11月28日に家族に看取られて61歳の生涯を終えた。
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喪主の郁恵さんは、「お父さん、もう制限しないから」という思いで、棺に山盛りのご飯を入れたという。
天国に召された渡辺さんは、2年前にコロナで亡くなった好敵手の志村さんと、心おきなく将棋を指してほしいものだ。
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