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〈マンガ〉藤井聡太五冠「タイトル戦勝率1.000」がスゴい一方で「豊島将之九段と思わず笑っちゃった」のはなぜ? 年末の将棋名シーン
posted2023/01/04 17:00
text by
千田純生JUNSEI CHIDA
photograph by
日本将棋連盟/Junsei Chida
あけましておめでとうございます! 2023年も将棋界に数々の名シーンが生まれることを1人の観る将として願いつつ……昨年12月の名珍シーンをマンガで振り返っていきましょう!
1)藤井竜王の防衛と、最年少300勝
藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖と五冠)が第35期竜王戦、4勝2敗で広瀬章人八段に勝利し、自身初となる竜王防衛を果たしました。今シリーズは七番勝負では藤井竜王にとって初となる2敗(そもそもそれがスゴい……)を喫したものの、これでタイトル戦登場11回すべて勝利を収めています。
タイトル戦勝率について見てみると、渡辺明名人(.738)、木村義雄十四世名人(.727)、羽生善治九段(.723)、大山康晴十五世名人(.714)、中原誠十六世名人(.703)と、そうそうたる名棋士が7割を超えているのが凄まじいのですが……いつまで「10割伝説」が続くのか。2023年の注目ポイントに置いてみようと思います。
決着局となった12月2・3日の第6局の会場、指宿と言えば名物は「砂蒸し風呂」。映像が出るたびに「いつか行ってみたいね~」と夫婦の話題になる中で、さらにその思いを強くさせてくれるのが佐々木勇気七段です。
順位戦B級1組で昇級争いを繰り広げるなど、勇気七段は若手精鋭の1人。そんな彼の盤外の見せ場となっているのが、ライフワーク? になっている砂蒸し風呂です。“永世砂王”と呼ばれるほど、砂蒸し風呂を心から楽しむ(1日6回入ったことがあるとか)様子が毎年恒例行事なんですが、今期の進化はなんと……砂蒸しされながらの真剣解説っていう(笑)。
和田あき女流初段がスマホでABEMAの中継をかざして盤面を見せると、勇気七段が砂に蒸されながら解説――なんちゅうカオスな光景なんだと思いつつも(笑)、将棋に対する思いのアツさを感じました。
天彦九段との連戦もすごかった
藤井竜王はタイトル挑戦をかけた戦いも熱を帯びています。12月の戦いでそのライバルとして連戦を繰り広げたのは佐藤天彦九段でした! 11月の棋王戦挑戦者決定トーナメントでは真っ赤のバラを持って入場した天彦九段が勝利を挙げるという一局がありましたが、そこから藤井竜王は敗者復活戦を勝ち抜き、天彦九段との挑戦者決定戦(19、27日)で連勝! 渡辺棋王への挑戦権を手に入れました。