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WBC栗山英樹監督はなぜ日系人選手2名を“初選出”したのか? アメリカで語った真意「魂はみんな一緒」「5~6人にアプローチさせてもらって…」
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byJIJI PRESS
posted2022/12/13 11:01
サンディエゴで行われたウインターミーティングに参加したWBC日本代表の栗山英樹監督。日系人選手の予備登録について栗山監督は…
栗山監督が思い描く「これからの野球の姿」
NPB関係者によると、現行の規定では「パスポート取得が可能か否か」などが資格基準とされており、日本人の母を持つヌートバーは出場可能で、母方の祖父母が日本人のクワンには資格がない。各国の国籍法が異なるため、日本の場合、多重国籍が認められるような他国のエントリー資格より「狭き門」となっているものの、今後、大会の規定が変更される可能性もあり、栗山監督は熟考を重ねたうえで若手有望株2人の名前を書き込んだ。
「まだ日本の選手と横並びにしていて、僕の感覚の中で野球がもっともっと発展するために、もっとグローバルな形にしたいと思いました。日本で産まれた外国の方のお子さんが活躍する時代。そういう選手を僕も預かったことはありますが、魂はみんな一緒。今回、5~6人(の日系選手)可能性がある選手にアプローチさせてもらって、全員が日本で出たいと言ってくれている中での選択。その選手が日本の今の個々の選手よりも勝ちに貢献してくれるのであれば、そういう選手達も一緒になって野球をやる。(侍ジャパンのために)何とかしようという選手が集まるべきで、日本のファンの人達にもこれからの野球の姿として必要になると僕は思っていたので、最後まで可能性を探っていきたい。最高のチームを作っていきたいと思っています」
現実的には、資格を満たしているヌートバーにしても、来年2月の宮崎合宿への参加をはじめ、ケガの保障などクリアすべき問題は少なくない。だが、栗山監督は目先のことだけを見ているわけではない。今後、エントリー基準が変更されれば、選考範囲はより「グローバル」になる。