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WBC栗山英樹監督はなぜ日系人選手2名を“初選出”したのか? アメリカで語った真意「魂はみんな一緒」「5~6人にアプローチさせてもらって…」
posted2022/12/13 11:01
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph by
JIJI PRESS
来年3月に行われるWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に出場する侍ジャパンが11月下旬、50選手の予備登録を行い、メジャーで活躍するラーズ・ヌートバー外野手(25=カージナルス)とスティーブン・クワン外野手(25=ガーディアンス)の日系人選手2人を、初めて選出した。
今回、既にパドレスのダルビッシュ有、エンゼルス大谷翔平、カブス鈴木誠也が出場意思を表明したのをはじめ、これまでに現役の日本人メジャーリーガーは参戦してきたが、過去4大会で「米国籍」の日系人選手が出場したことはない。それでも、栗山英樹監督は将来的な可能性を含め、明確な意図を持って2人を予備メンバーに加えた。
外野の全ポジションを守る主力・ヌートバー
カリフォルニア州生まれで右投げ左打ちのヌートバーは、2018年、南カリフォルニア大からドラフト8巡目でカージナルスに入団し、昨年6月にメジャーデビューを果たした。今季は108試合に出場し、打率2割2分8厘ながら14本塁打、40打点とパンチ力のある打撃を披露し、守備では外野の全ポジションを守るなど、主力として成長した。
“空振りしない”男・クワン
左投げ左打ちのクワンは18年、オレゴン州立大からドラフト5巡目でガーディアンズ(当時はインディアンス)入りし、今年初めて開幕ロースターを勝ち取った。スタメンで出場した開幕デビュー戦以来、6試合、25打席目に初めて空振りを喫するまで116球空振りなしと、00年以降デビューした選手では最長となる記録を更新した。身長175センチとメジャーでは小柄な体格ながら、ヤクルト青木宣親を彷彿させる巧みなバットコントロールが評価されて、6月中旬からは「1番左翼」に定着。最終的に147試合に出場し、打率2割9分8厘、6本塁打、52打点と活躍し、ゴールドグラブ賞を獲得したほか、新人王争いではファイナリスト3人に食い込むなど、ガーディアンズの地区優勝の原動力となった。