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「きゃー!(前田)大然さんメガネ姿!」、外国人観光客が「ドアン、ドアン」…テレビに映ってない「成田の出待ち」が超エモかった
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byJIJI PRESS
posted2022/12/10 17:01
成田空港に帰国した際のサッカー日本代表。到着ロビーには約650人が駆け付けた
のちの報道を見ると、到着ロビーには約650人が詰めかけたという。
様々な試合中継前に流れるFIFAの映像とBGMの「ドン! ♪テケテンテン、テケテンテン」の音を目覚ましに、日本代表を応援していた人がいたんだな……と一人勝手にエモくなってしまう。
「止まらずにお待ちくださいー」
「北側のエスカレーターのみの利用となっておりますー、ご了承くださいー」
警備員さんの声が至る所で響き渡る。見た感じ、まさに老若男女。男女比としては半々だっただろうか。その一方でW杯観戦の常連というサポーターが〈現在はオンラインで仕事ができる分だけ、W杯に行きやすくなりましたね〉、柏レイソル時代からの伊東純也ファンとみられる子供が〈嬉しいけど、ゴール取ってくれたらもっと嬉しかったです〉といった感じでテレビの取材を受けている声が至る所で聞こえてきた。
ユニフォームを着用している人は、全体の2~3割くらい。特に多く感じたのは「三笘薫、堂安律、長友佑都」だった。この3人は想定していたが、意外といたのは「HONDA 4」ユニの人。話題になった本田圭佑解説でW杯に惹きつけられた組、やっぱり多かったんだな。
外国人観光客も「ドアン、ドアン」
さらに観光に来た中国人カップルも堂安ユニの人を見て「ドアン、ドアン」と言っていた。あっちだとマスクなしサポーターの姿が映ると編集されるとの報道があったけど……W杯という大舞台で結果を残すと、世界に一発で認知されるんだなと実感した。
待つこと十数分、二重三重、いや五重くらいになりつつも整然とした出待ちの人々が、一斉にスマホを上に掲げた。サイドではカメラクルーの照明とフラッシュが一気に焚かれる。170cm程度しかない身長なので、ほぼ何も見えない。ただその熱気が上がったことで日本代表が出てきたことが何となく理解できた。
「みなさん、応援ありがとうございました!」
たぶん森保監督であろう(テレビで見直したらそうだった)、実直な感謝の挨拶が聞こえてくる。すると大きな拍手と「ニッポン!」、そして「ブラボー!」の声が飛ぶ。やっぱり事実上の流行語大賞だなあ……と眺めていること数分間、森保監督や選手たちはロビーから出ていったようだ。
「すごーい!吉田さんと堂安さんが撮れているー!」
「すごーい! 吉田さんと堂安さんが撮れているー! きゃー、(前田)大然さんはメガネー!」
2人組で来ていた若い女性が嬉しそうに撮った写真を見返していたり、みんなで集まってきた少年サッカーチーム、「え、部活サボってない大丈夫?」という感じの高校生グループもおしなべて嬉しそうだった。