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「きゃー!(前田)大然さんメガネ姿!」、外国人観光客が「ドアン、ドアン」…テレビに映ってない「成田の出待ち」が超エモかった
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byJIJI PRESS
posted2022/12/10 17:01
成田空港に帰国した際のサッカー日本代表。到着ロビーには約650人が駆け付けた
この光景を見て、落合博満監督が中日ドラゴンズを率いた時に残した「勝つことが最大のファンサービス」という言葉がオーバーラップした。“勝てば官軍”かもしれないが……やはり、ドイツとスペインというW杯優勝経験国2つを撃破したという事実が、これほどの熱狂を呼んだのだろうな、とも。
ライト層、コア層も関係なく感情を共有できた
この数年間、日本代表に限らず国内外のサッカーの露出がテレビなどで減っていた。もちろんWebなどでは数多くの情報を目にできるが、そこにリーチできるのは「常日頃サッカーに関心がある層」に限られていた側面もある。なので“世間的な日本のサッカー人気、今後大丈夫なのか?”と、心配し続けていた。
でも日本代表選手がこう結果を残してくれたことによって――再び熱が戻ってきたことに感謝しかない。そしてグダグダとネガティブなことを考えていた、こちらのつまらない杞憂を軽く吹っ飛ばしてくれた。そしてライト層、コア層という分け隔てはなく「誰もが感情を共有できる話題」という立場に、再び日本代表がなったのだと思う。
「僕も、とても幸せな気持ちで素直に嬉しかったです。本当は1人1人と握手したいぐらいでしたので」
成田到着後に感じたことを聞かれた、吉田の言葉である。その万感の表情を見て、メディアの末席にいる自分もジーンと来た。この高揚感が続くようにがんばらなきゃな……“ドーハの歓喜のち、成田の出待ち”でビシビシと感じた。
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