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亡き兄貴分・木下雄介さんの背番号“98”でDeNA新加入、京田陽太28歳が明かす“1年目の覚悟”「雄介さんは努力を惜しまない方でした」 

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石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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photograph byJIJI PRESS

posted2022/12/12 11:00

亡き兄貴分・木下雄介さんの背番号“98”でDeNA新加入、京田陽太28歳が明かす“1年目の覚悟”「雄介さんは努力を惜しまない方でした」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

新人選手のように意気込みあふれる表情を見せる京田。背中に亡き兄貴分への思いを込めた“98”を刻んでDeNA1年目を迎える

 逆にDeNA側から見ると京田は非常に嫌な選手だった。特に3年目の2019年は、DeNA戦で打率.370、横浜スタジアムでは.385と打ちまくり、以来、京田が打席に入るとヒットの匂いがするようになった。ハマスタとの相性について京田は次のように語った。

「正直(相性のよさは)あると思っているんです。打席に入ってピッチャーの方を見ると、『あ、今日は打てるな』と感覚的に思うことが結構あったんです。あと、ハマスタのお客さんの熱気に加え、演出などにも力が入っていますし、そういった意味でも、自分には合っている場所だなと感じていましたね」

 捲土重来を期すハマスタで、果たしてどんな躍動を見せてくれるのだろうか。

大和とは「グローブをいただくなど親交があるんです」

 京田は会見で「まずは守備でアピールしたい」と語り「レギュラーとして143試合に出場」を目標に掲げた。現在DeNAのショートにはベテランの大和をはじめ、守備に安定感のある柴田竜拓、若手筆頭の森敬斗らがおり、彼らとの争いになる。京田は他の選手たちと切磋琢磨しつつ、自分も成長できたらと考えている。

「大和さんはグラブメーカーが同じでグローブをいただくなど親交があるんです。あの年齢でショートを守れるすごさというのは身に染みて感じていますし、いろいろとお話ができたらと思っています。柴田さんは大学の同じリーグでプレーしていたんですけど、あの守備は本当に勉強になります。また森選手はチームを背負っていく立場ですし、いろいろと刺激を受けながら高いレベルでの戦いができるのではないかって」

昨季の反省「自分に芯を持てなかったこと」

 守備に関してはリーグトップクラスの京田である。言うまでもなく問題はバッティングだ。今年はわずか43試合の出場で打率1割台と苦しんだ。フォームが安定せず、自分のスタイルを見失った。

「自分に芯を持てなかったこと、これを続けて行こうといったモノが確立できなかったのが一番ですね。そこはしっかりと反省をして来季に向けアプローチしていきたいと思います」

 追求すべき一番大事な部分は“タイミング”だと京田は言う。

「とにかくタイミングの取り方が合わないと打つことができない。具体的に説明するのは難しいのですが、そこはしっかりとやっていきたいですね」

石井琢朗コーチとは「コロナ以前に食事をさせてもらっていた」

 バッティングの状態が上がらなければ、守備要員で終わってしまう。そんな京田の心強い援軍になりそうなのが、石井琢朗チーフ打撃コーチの存在だ。現役時代、俊足好打の内野手だった石井コーチは、京田の入団にあたって「ポテンシャルがあり、脂の乗り切った年齢。きっかけさえ掴めれば、今までの自分を取り戻すのは早い」と、期待を寄せている。

【次ページ】 三浦大輔監督からは「新しい京田を見せてもらいたい」

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