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亡き兄貴分・木下雄介さんの背番号“98”でDeNA新加入、京田陽太28歳が明かす“1年目の覚悟”「雄介さんは努力を惜しまない方でした」
posted2022/12/12 11:00
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph by
JIJI PRESS
「新人時代を思い出して緊張しました。自分でも声が震えているのがわかりましたからね」
12月5日に行われた横浜DeNAベイスターズの入団会見を終えると、京田陽太はそう言ってはにかむように微笑んだ。
「野球人生で初めてのタテジマのユニフォームなんです。外から見ていて格好いいユニフォームだと思っていたので、これを着てプレーをするのは楽しみですね。晴れてベイスターズの一員になることができ、ここからまた勝負だなって」
トレードは正直、わかっていた部分もあった
11月18日、中日ドラゴンズの京田とDeNAのリリーフ左腕である砂田毅樹のトレードが両球団から発表された。かつて新人王を獲得したレギュラークラスのショートストップである京田の突然の移籍に、世間からは驚きの声が上がった。
プロ6年目だった今季は、不振に陥りチームに貢献することができなかったが、正直「自分がトレード?」という思いはなかったのだろうか。
「驚きはしたのですが、そういった気持ちはありませんでした。チームも若返りをはかっていましたし、正直、自分の居場所と言いますか、この年齢(28歳)ですし、わかっていた部分もあったので……」
口調には複雑な心境が見て取れたが、京田は目線を上げると中日への感謝を述べた。
「1年目から起用してもらい、また選手会長もやらせていただき、本当に球団には感謝しています。仲間や関係者の方々、名古屋の人たちには本当にお世話になりましたし、皆さんのおかげでここまで来られました。今度はベイスターズで活躍して『京田がんばっているな』って思われるようプレーしたいですね」
うーん、本当に不器用なタイプの人間なんですよね
移籍発表からわずかな期間ではあるが、すでに気持ちの切り替えはできているようだ。京田はDeNAでの未来を想像する。
「ベイスターズは僕がプロになってからはAクラス常連のチームですし、そういった球団に声を掛けていただき嬉しく思っているんです。何とか期待に応えたい。環境を変えるという意味では、メジャーでもトレードは盛んですし、自分にとって素晴らしいチャンスをいただいたと思いがんばっていきたいですね」