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ブラジル「物議の韓国戦ゴール後ダンス」に“ビニシウス差別問題”の伏線… 監督も「侮辱するつもりは毛頭ない」現地報道で深掘り 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byJean Catuffe/Getty Images

posted2022/12/09 06:00

ブラジル「物議の韓国戦ゴール後ダンス」に“ビニシウス差別問題”の伏線… 監督も「侮辱するつもりは毛頭ない」現地報道で深掘り<Number Web> photograph by Jean Catuffe/Getty Images

圧倒的な力で韓国を撃破したブラジル。論争となった「ゴール後ダンス」には伏線がある

 ジュニオールは「ゴール前へ3人が飛び込んだから、ファーサイドに隙が生まれた。ビニシウスは落ち着いていた」と解説した。試合開始早々、相手守備陣を完全に崩して先制したことで、試合前の不安や懸念が一気に吹き飛ばされた感があった。

 その4分後、ビニシウスの左からのクロスが韓国のDFに当たってこぼれると、リシャルリソンが別のDFがクリアする直前に足をこじ入れ、その足を蹴られてPKを獲得。オリベイラは、「韓国選手にファウルをする意図はなかったが、結果的に倒した。判定は正しい」とコメントした。

ネイマールPK成功後も「取れるだけ点を取れ」

 ネイマールが、例によってGKを動かしてから、右下へ流し込む。「ゴーーーーール」と絶叫するブエノの声が裏返った。ネイマールのセレソンでの通算得点は76点となり、ペレが持つ最多記録まであと1点。ロッキ・ジュニオールは「引き続き同じリズムで攻めてもらいたいですね」とさらなる追加点を求めた。

 2点をリードされた韓国は、前がかりになる。17分、MFファン・ヒチャンがゴール右上隅に強烈なミドルシュートを放つが、GKアリソンが右手一本でCKに逃れる。さらに韓国の攻勢が続くと、ブエノは「それでいい。スペースが生まれ、ブラジルが点を取りやすくなる」。「取れるだけ点を取れ」ということだ。

 29分、CKからの流れでCBがゴール前に残っている状況で、右サイドでパスを受けたマルキーニョスがゴール前のチアゴ・シウバへ。シウバからのパスを受けたリシャルリソンが左足で流し込む。再び10人が輪になって跳ねた。

 リシャルリソン得意のゴール・セレブレーションは「鳩ダンス」。鳩を真似て両手を後ろへ回し、首を前後左右に小刻みに振りながらステップを踏むのだが、ベンチへ駆け寄り、チッチ監督を誘って踊った(注:彼がゴールを決めたら、一緒にこのダンスをする約束だったそうだ)。アナ・タイスが、「(謹厳実直な)チッチが『鳩』を踊ってますよ」と驚きの声を上げた。

丸々としたロナウドが登場、ペレへのエールも

 前半の30分足らずで、早くも3得点。選手もスタンドのファンも、カーニバルのような騒ぎとなった。一方、韓国選手は呆然、悄然としている。

 さらに7分後、ビニシウスが左から浮き球のクロスを入れると、パケタが右足で蹴り込んだ。彼はチームの“ダンス部長”。気持ちよさそうに頭を、体を揺すると、ブエノが「パケタ、好きなだけ踊っていいぞ」と煽る。

 TVグローボの独自映像が、顔中を赤と青に塗った韓国人ファンの仏頂面を映し出す。

 前半の4点で、試合の行方は決した。

【次ページ】 ネイマールも「痛みは全く感じない」と笑顔

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