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渡邊雄太のNBAネッツが“ジャパンマーケット”を狙う理由とは? 日本代表ホーバスHCも招待「ブルックリンが雄太のホームになりそう」
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byKYODO
posted2022/12/07 17:00
ネッツvsウィザーズ戦を訪れた日本代表トム・ホーバスHC(中央)。残念ながら渡邊、八村は共に負傷欠場となったが、NBAのコートサイドで会話する機会に恵まれた
こうして2人の日本人選手がそれぞれの形で実績を積み上げ、特に渡邊が成長を感じさせていることで、日本人対決も次の段階を迎える可能性がある。
“ジャパニーズ・カーニバル”はさらに大きくなり得る。30日のゲームにホーバス監督が姿を見せたのは、本人の希望があったからというだけではない。その背後にはネッツの思惑があり、ニューヨークのパワーハウスはいよいよジャパンマーケットの盛り上げに力を入れようとしているのだ。
30日のネッツ対ウィザーズ戦前、バークレイズセンターのスイートルームに日本メディア、関係者を招待してのレセプションが行われた。
ステーキ、ロブスター、寿司職人がその場で握ってくれる寿司などが振る舞われ、ホーバス監督、渡邊もスイートに登場。ネッツの親会社である「BSE グローバル」のCEO、サム・ザスマン氏、ネッツの広報グループが順番に挨拶に訪れるなど、セッションは盛り上がりを見せた。こういったホスピタリティは一度きりではなく、これから先も日本関係の様々なゲスト招待が企画されているという話も聞こえてくる。
最近では渡邊のポートレイトがアリーナのビルボードに踊る機会も増え、12月2日のゲーム前には筆者もネッツの公式ポッドキャストに招待された。これらの流れを見ても、今のネッツが日本マーケット、日系企業パートナーおよび日本人ファン開拓に前向きなのは明白。そんなチームの方向性に、中国のグローバル・インターネット会社「アリババ」の共同創業者であり、ネッツオーナーでもあるジョセフ・ツァイ氏ももちろん賛同しているのだという。
「ブルックリンが雄太のホームになりそう」
「(渡邊が)ネッツからオファーをもらって、すぐいいチャンスだと思いました。ケビン・デュラント、カイリー・アービングとチームプレーをするとき、彼の役割がきちんにわかっている。だから迷っていない。(契約の)判断がすごくうまくいったかなと思います。彼のためにすごく嬉しいし、日本代表のためにもすごい嬉しいです」
ウィザーズ戦後の会見時、ホーバス監督はそう述べ、「このままいけばブルックリンが雄太のホームになりそう」と付け加えるシーンがあった。最近の動きを見る限り、そうなることを望んでいるのはネッツ上層部も同じではないかと思えてくる。