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[残り9分の連係ミス]守田英正「初舞台の悔恨、変わらない信念」
posted2022/12/09 08:03
text by
豊福晋Shin Toyofuku
photograph by
Takuya Sugiyama/JMPA
初戦2日前にようやく全体練習に合流した攻守の要が、このコスタリカ戦で初めてのW杯出場を果たした。だが、残ったスコアにはチームの迷いがそのまま表れた。当事者のひとりとして失点場面を味わった男の思いとは。
初めて立ったW杯のピッチで守田英正が鮮明に覚えているのは、思うようにいかなかった自陣ペナルティエリア前でのクリアシーンだ。
最終ラインの吉田麻也からのふわりと浮いたパスが、エリアのすぐ外にいた守田の前方に落ちてくる。
危険なゾーンをさまようボール、そのバウンドを見計らいながら必死に足を伸ばした。この位置でセカンドボールを相手に渡すことだけは避けなければ。そんな思いで投げ出した身体が芝の上を走った。
その瞬間のことを、守田はこう振り返っている。
「周りが見えてなかった。まずボールにチャレンジする、相手に渡さないという意図で先に触ってクリアしたら、僕が死に体のような形になってしまった」
クリアしたボールが前にいた相手にひっかかる。起き上がって戻る守田の横からエリア内へ走る選手へと渡り、次の瞬間にはネットが揺れていた。
唯一の失点は、日本代表に重くのしかかる1点だった。
曖昧なプレーの連続がもたらした失点を守田の責任とするのは酷だろう。しかし失点直前のプレーに関わった当事者として、その時の判断を守田はコスタリカ戦後も考え続けていた。
翌日、守田はあらためてそのシーンの映像を見返した。
「ある意味、そこまで危ないシーンではなかった。冷静に相手の前に立ってプレーを遅らせることができれば、なんてことはなかったと思う。そこがあのシーンの個人的な反省点。あれは死に体にならずに足を運ぶべきだった。落ち着いて正対することができたんじゃないかと」