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最強のカードを生かせず…三笘薫がコスタリカ戦後に絞り出した“生々しい言葉”「ボールが来ないなかで…」「もう仕方ないです」
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byTakuya Kaneko/JMPA
posted2022/11/28 17:01
コスタリカ戦で62分からピッチに立ち、数少ないドリブルのチャンスを決定機に結びつけた三笘薫。試合後の取材エリアで悔しさをにじませた
足元ではなく背後で受けようとしても、コスタリカは5バックを敷いてスペースを埋めている。「背後のところを狙ったりしましたけど、スリッピーなぶん難しいところもありました」と言う。
三笘を生かせないなかでも、日本はゴールへ迫った。しかし、得点を予感させるシーンは生み出せず、コスタリカに先行されてしまうのだ。81分、痛恨の失点を喫した。
「後悔はありますけど、もう仕方ないので…」
三笘を使えないまま、残り時間が削られていく。ようやく見せ場が訪れたのは88分だった。左サイドからペナルティエリアへ侵入し、ゴールライン際まで持ち込んでマイナスのクロスを入れる。鎌田大地がフィニッシュへ結びつけ、GKケイロル・ナバスに弾かれたボールに浅野拓磨らが反応するが、ナバスにボールを回収されてしまう。
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アディショナルタイムにも左サイドを切り崩した。相手選手を2人置き去りにするが、マイナスの折り返しはシュートにつながらなかった。
「最低でも引き分けなきゃいけない試合だった。失点は僕のミスから、球際のところで僕が負けてからなので。あれがなければ失点もないですし、そこは申し訳ない気持ちと、次ホントに切り替えるしかないので、気持ちを整理して、中3日なのでしっかり準備したい」
テレビ用のインタビューを受けた直後に、三笘は記者の待つ取材エリアに足を運んだ。試合終了から間もないこともあって、生々しい悔しさや歯がゆさがあるのだろう。表情は険しい。
「もうちょっと仕掛けたいところはありましたし、なかなかボールが来ないなかで、自分も(持ち味を)出し切れない展開で、そこに後悔がありますけど、もう仕方ないので次に切り替えていきたいです」
自身へのパスが限定的になったのは、コスタリカが警戒してきたからでもある。「三笘に時間とスペースを与えない」という意識を、コスタリカは隠さなかった。ダブルチームでも対応してきた。