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「女性スタッフがダウンを着込んだ」現地記者が大苦戦、灼熱の国・カタール“実は寒い問題”「ホテルのエアコンに黒テープを貼って…」
text by
松本宣昭Yoshiaki Matsumoto
photograph byYoshiaki Matsumoto
posted2022/11/24 17:07
記者たちが集うメディアセンターのエアコンの設定温度は21度。温度設定もままならず、スペイン代表でもエアコンによる風邪の被害が…
ところが、日没が近づく16時以降のキックオフとなると、話は別物だ。例えば19時に始まった開幕戦、カタールvs.エクアドルのキックオフ時の気温は23℃。サッカーをするには最適な気温だが、それでもクーラーからは容赦なく冷気が噴き出す。記者席ではブランケットが配られた。
最大の被害者は、カメラマンだ。ピッチ上を冷やすために、スタンド下の壁には、巨大スピーカーのごとき冷房の噴出口がずらりと並んでいる。必然的にカメラマンは、この冷房の前でシャッターを切ることになる。陽射しがあればまだいいが、日が傾くと極寒状態に。フォトグラファーは背中からの猛烈な寒風に耐えながら、ピッチ上の熱いプレーを切り取っているのだ。
日本代表では「冷房で体調を崩した選手は、今のところいません」
さて、こんな環境だから、気になるのはやっぱり我が日本代表のこと。スペインの二の舞を演じるわけにはいかない。そこで、ある日本代表スタッフに、森保ジャパンの“寒さ対策”を聞いてみた。
「冷房の温度差が極端ですよね。W杯の開幕3日前頃までは、かなり気温が高かったのでホテル側に『暑い』と伝えると、ものすごく冷房の温度を下げられます。今はかなり気温が下がってきたので、夜は冷房を切って寝ることも多いですね。冷房なしでも夜は快適です。特にチームとして“寒さ対策”はしていないのですが、長袖のウェアは用意していたので、選手たちのほとんどが、宿舎内では長袖を着用していますね。そのおかげか、スペインのように冷房で体調を崩した選手は、今のところいません」
その言葉を聞いて、ひと安心。我々報道陣も長袖シャツを着込んで、“ドーハの寒気”に耐えながらドイツ戦の勝利に次ぐ2度目の“ドーハの歓喜”の瞬間を待っている。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。