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「カマダのセンスは“最強MF”デブライネに通じる」「もちろん長谷部誠も…」ドイツ紙記者が“ココだけに書く鎌田大地ガチ評価”
text by
フィリップ・セルドーフ/南ドイツ新聞Philipp Selldorf / Süddeutsche Zeitung
photograph byKiichi Matsumoto
posted2022/11/15 17:01
鎌田大地は日本代表、ブンデスリーガでコンスタントな活躍を見せている
より多くボールに触れることを好み、組み立てや守備など、ほかの側面でもチームに貢献したいのだろう。鎌田は昨季、センターフォワードの脇で起用されることが多かったが、これはウイングというよりもセカンドストライカーに近い。サイドに流れてプレーしても、彼本来の力はあまり発揮できないので、やはり中央よりのポジションが適任と言える。
鎌田の成長にはゲッツェの存在も大きいはずだ
アイントラハト・フランクフルトと鎌田にとって初のチャンピオンズリーグでも、素晴らしい足取りを見せている。
この欧州のエリートコンペティションに初参戦するチームや選手は、その高いレベルに苦しむことが多いが、彼らは試合を重ねるごとに適応。オリンピック・マルセイユ、トッテナム・ホットスパー、スポルティング・リスボンという各国の強豪が揃うグループでスタートダッシュに失敗しながら、鎌田は後半戦の3試合で連発し、チームをグループステージの劇的な突破に導いている。
彼はきっと、レベルが高くなればなるほど奮い立つタイプで、終盤戦ではもう何シーズンもチャンピオンズリーグでプレーしているような風格さえ醸し出していた。真のトップレベルの大会であそこまで高いクオリティを示した鎌田を、今や多くのビッグクラブが注視している。
鎌田の今季の成長については、チームに新たに加わったマリオ・ゲッツェの存在も大きいはずだ。
2014年のW杯決勝で唯一の得点を挙げて、ドイツに4度目の優勝をもたらした現在30歳のスキルフルなアタッカーは、似たビジョンを持ち、呼吸も通じ合う鎌田と粋な連携を披露。鎌田もこのベテランから多くを学んでいるように見える。
鎌田も長谷部をリスペクトしているはず
もちろん、長谷部誠の存在も大きい。
2008年からブンデスリーガでプレーする彼は、日本人でもっともドイツのフットボールを熟知しており、すでにこのリーグの歴史の一部になっている。