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元人気女子レスラー・工藤めぐみが涙を流して語った、“夫・BADBOY非道(享年51)が亡くなった日”「後悔がどんどん募る。でも…」 

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伊藤雅奈子

伊藤雅奈子Kanako Ito

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photograph byHideki Sugiyama

posted2022/11/11 11:03

元人気女子レスラー・工藤めぐみが涙を流して語った、“夫・BADBOY非道(享年51)が亡くなった日”「後悔がどんどん募る。でも…」<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

現在53歳となった工藤めぐみさん。昨年亡くなった夫・BADBOY非道さんとの思い出などについて聞いた

涙を流して語った、「失ったことで得たもの」

――失ったことによって得たもの、はありますか。

工藤 人の優しさ……ですね(大粒の涙をこぼす)。優しさにもいろいろあって、言葉にしてくださる方もいるし、何も言わずに見守ってくれる方もいる。そんなときでもZERO1の会場に行くと、それぞれの優しさをすごく感じるんですよ。言葉で「元気だしてください」って言う人もいるし、何も言わないけど、やけに話しかけてくる人もいる。若い選手なんかはもう、現役時代の私を知らないのに、温かくて。会場に行くと、「来てよかったな」って思えるし、プロレスがなかったら外に出ることもなくなっていたと思う。プロレスを通して出会った人がほとんどなので、私はプロレスに助けられてるなぁってつくづく感じてます。

――10代からのかかわりですもんね。

工藤 そうですね。(ZERO1の)社長には、「もう辞めようかなって思ってます」って言ったんですね。会場にいても試合に集中できないし、いろんなことを感じてしまうと、その場にいることもつらくなる。みなさんに気を使わせて、迷惑をかけてしまうのでっていう話をしたら、「辞める・辞めないが、いい・悪いじゃない。ただ、そんなみっともない理由での辞め方はしないでください。今までやってきたことが全部無駄になってしまって、とってもみっともないです」って言われました。続けててよかったなぁって、今は思います。

――つらいことをすべて話していただいて、申し訳なかったです。では最後に、工藤さんが描くZERO1の未来図を教えてください。

工藤 まだまだなんですよ。途中から参加した私が言うのは、おこがましいですけど。たくさんのプロレス団体があるなかで、発展途上であることは正直否めないし、なかだけで収まるのではなく、どんどん外にも発信していかないといけない。橋本(真也/享年40)さんという、とても偉大な方が作られたプロレス団体だから、もっと光を浴びなきゃいけないですよね。今は大谷(晋二郎)選手が(頸髄損傷で)欠場しているなか、みんなが意識を改めて、大谷選手に安心してもらえるようにという気持ちでリングに上がっています。新しい選手たちも力をつけて、今までにないZERO1を創りあげています。大谷さんが戻ってくるまでには、レベルアップ。そんなZERO1になることを、願っています。

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“邪道姫”と呼ばれた元女子レスラー・工藤めぐみ53歳が明かす、“なぜデスマッチを極めたのか”? 命の危険も「意識もうろう、呼吸ができず…」

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