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福井優也34歳、戦力外通告→トライアウトへ「あと、1年だけでもいい。死に場所は海外でも」“早大BIG3”斎藤佑樹と大石達也もエール
posted2022/11/07 17:01
text by
田中大貴Daiki Tanaka
photograph by
JIJI PRESS
「客観的に自分を見れば見るほど、“福井優也はまだやれる”、そう思うんです」
東北楽天ゴールデンイーグルスから今季限りでの“自由契約”を伝えられた福井は、自分に訴えかけるように何度もこの言葉を繰り返した。
「怪我もない。まだまだ投げることが出来る。12年やってきて、今シーズンの感覚は本当に良かった。確かに勝ちパターンに入る一線級と比べたら引けを取る部分はあったとは思う。ただ、上でやれる、やりたいという気持ちがまだあるんです」
今季は二軍では20試合に登板した。防御率は1点台前半と上々の数字を残し、イニング数を上回る三振を奪っている。だが、一軍登板は11試合に終わった。一軍マウンドでも球速150キロオーバーを計測していたが、思ったような活躍をできなかったことも事実である。2月で35歳になる福井には「もしかしたら連絡がくるかもしれない」という予感もあった。
クビか、それとも年俸半減か
「9月の終わりに球団から電話がありました。『明日、市内のホテルに来てほしい』と。呼ばれた場所が球団事務所ではなかったので、その日の夜は2つのことを考えていました。クビだと伝えらえるか、それとも、年俸半減の交渉になるか。この2年での一軍登板は40試合ほどでしたが、二軍での結果も良かったので来季も契約はしてもらえるかもしれないと思う自分がいたのは確かです」
翌日の夕方、さまざまな思いを抱えながら指定のホテルに向かった。そこで言い渡されたのは“自由契約”、つまり戦力外通告だった。
「球団の方には部屋に入ってすぐに“楽天で4年間、頑張ってくれて本当にありがとう”、“チームのために投げてくれて感謝している“と言ってもらいましたが、続けて“うちとしては来季、契約はできない”と告げられました。年齢は理由の1つだと思います」