「歩くのも大変な状態になって…」難病で8月末に手術、DeNA三嶋一輝32歳が明かす復活への道筋「いろんな意味で強くなって戻ってきますから」

「大丈夫です。元気にしていますよ」

　久しぶりに会った横浜DeNAベイスターズの三嶋一輝は、張りのある声でそう言った。柔らかい笑みを浮かべ、髪をかき上げながらしゃべる仕草は以前と変わらない。

1カ月前からリハビリを開始

　三嶋は8月末、国が難病指定している『胸椎黄色靭帯骨化症』の手術を行った。脊椎の後方にある黄色靭帯が骨化し神経を圧迫してしまうこの病気は、下肢の脱力やしびれといった症状が現れる。原因は不明であり、治療方法も確立されていないという。

　三嶋は術後2週間ほど入院し、自宅療養したのち、1カ月前からDeNAのファーム施設（DOCK）でリハビリとトレーニングを開始した。

「現時点（10月末）でキャッチボールが40メートル、ランニングはダッシュまでできるようになりました。うん、順調ですし、今は違和感なく投げられていますよ。ただ、肉体的にはもっとできると思うんですけど、病気が病気なだけに、自分の感覚から2段階ぐらい落として、ゆっくりゆっくりといったイメージでやっていますね」

三嶋が患った『胸椎黄色靭帯骨化症』という難病

　トミー・ジョン手術のように、前例が数多くある術後ならばリハビリや復帰までのプロセスを立てやすいが、三嶋が患ったのは難病だ。過去この病を患ったプロ野球選手はいるにはいるが、あまりにもサンプルが少ない。

2021年には守護神として23セーブを挙げた三嶋　©Hideki Sugiyama

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「そこが一番難しいところですよね。前例がほとんどないので、復帰するまでのプランを立てにくい。また僕が受けた手術は、この病気に関しては初の試みだったので、そこは主治医とトレーナーとコミュニケーションを取りながら、自分の体と相談して復帰に向かっていくような感じになりますね」

　三嶋が受けた手術方法には、内視鏡で行う『最小侵襲脊椎治療（ミスト）』という最先端の技術が用いられた。切開部が1～2cmで済むこの手術は、肉体への負担が軽減できることはもちろん、回復の早さが見込まれている。

　突然襲った、まさかの難病。正直「なぜ自分が!?」と、三嶋は思わなかったのだろうか。

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