クレジットには「文／写真・屋鋪要」とあり、読み進めていくと幼少期の屋鋪さんが父とともに撮影に行ったSLの思い出について、軽やかなタッチの文章で描かれている。

　聞けば屋鋪さんが自ら執筆し、さらに何のコネもなく「編集部にメールしたんです」という。この文章を読んだ編集長が面白いと感じ取り、SL写真とともに掲載された。以降、知る人ぞ知る屋鋪コラムは10年以上にわたって連載されていた。

「もともと、読書も好きだったんです」

　幼少期から鉄道撮影を楽しんでいたという屋鋪さんだが、中学校から野球に打ち込むため寮生活に入り、SLへの愛はいったん封印することになる。それがプロ野球選手としての現役生活を終えて、再び情熱を燃やすことになったのだ。

「ぼくが教えれば絶対に上達させます」

　そう言えば、冒頭で挙げた新聞記事でも「野球の時は性格を変えていた」と記されていた。野球についてはどう接しているんだろう。そういえば移動中、子供たちに野球を指導しているという話をしていたな。ふと思い出し……取材テーマはラベンダーなどの趣味面についてとお願いしていたが、気になってやはり、野球についても聞くことにした。

　すると、ラベンダーやSLについて柔らかな表情で語っていた屋鋪さんの表情が一変する。

「野球についてですか？ ぼくが教えれば絶対に上達させます」

　その眼力は、プロ野球の世界で生き抜いてきた人特有の強さで、続く言葉の数々にもプライドがにじんでいた。果たして、その指導とは――。

＜#2につづく＞

#2に続く

「お父さんが撮った動画で研究したか？」屋鋪要63歳は今…“子供に野球ガチ指導＋ラベンダー栽培”への愛情「え、ここ自宅ですか？」

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