「お父さんが撮った動画で研究したか？」屋鋪要63歳は今…“子供に野球ガチ指導＋ラベンダー栽培”への愛情「え、ここ自宅ですか？」

　のんびりと趣味の話を聞いて緊張感がほぐれたと思い、野球の話を振るやいなや眼光鋭く、指導について情熱を持って語る屋鋪さんを前に、至らなさを恥じた。

「僕は野球の指導については、プロ中のプロだと自覚していますから」

　屋鋪さんは3年連続盗塁王に輝き、通算1146安打を放った一流のプロ野球選手である。そして引退後には巨人で守備走塁コーチを務めた。さらにその後は野球少年たちにプレーを指導。その中には現在DeNAで活躍する関根大気やヤクルトの奥村展征らもいたそうだ。

現役時代の屋鋪　©JIJI PRESS

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「僕はバッティング、守備どちらも理論的に理解させる指導に自信を持っています。教え方は年齢こそ違えど、プロに教えるものと子供達に教えるのは同じ。言葉での伝え方、レベルなどは選んではいますがね」

都内にある公園の草野球場で教えていた

　屋鋪さんに聞くと、現在は週3回、東京都内の各地で子供達に野球指導をしている。取材で訪れたラベンダー講座の翌日にも野球教室をやるとのことで、連日の取材になってもいいか……。無理を承知で聞いてみると、屋鋪さんは快く快諾してくれた。

「おお、お待ちしていましたよ！」

　翌日、約束の公園に到着すると、ノックバットを手に笑みを浮かべる屋鋪さんが。ラベンダー講座の時と同じく、気さくな表情で迎えてくれた。

　屋鋪さんが受け持つ少年野球の指導は、日によって内容や環境が大きく違うそうだ。

　本格的な野球塾でも教えているそうだが、この日の練習会場は公園にある草野球場。小学校低学年と高学年向けに、2部に分けて行われる。「コロナ禍により、参加人数はここ2年で減少してしまったんですよね」と屋鋪さんは少し寂しそうに話す。しかしこの日は小学校低学年、高学年ともにそれぞれ10人ほどが参加するなど、活気が戻りつつあるようだった。

子供の野球指導にいそしむ屋鋪さん　©Satoshi Shigeno

屋鋪さんの指導を見て凄いなと思っているのが

　練習を見始めると、レベルはまちまちだった。キャッチボールやバットスイングの基本的な動作から学んでいる段階の子がいる。そうかと思えば、あえてチームに所属せず、父親と独学で野球を学び、さらにレベルアップしたいとのことで野球教室に参加する本格的な子供もいた。

　なお以前は「難聴の子も参加していました」という。レベルや年齢、体格などすべて分け隔てなく、誰もが野球に触れられる空間として機能している。

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